ストーリー168~171

ストーリー168:4番艦、マーデクト回収


登場人物

ガルシア、ポートル、4番艦回収班乗組員、ラムル



 4番艦船尾ドック内。


 マーデクトも回収が終わり、ミクラットと並ぶドックの奥の画。


 音声が響いている。


 ドック内自動音声「ドック内隔壁ドアロック中。内部圧力調整中。……内部圧力調整中。ドック内に出ないでください。」


 しばらくすると、また回収班乗組員がドック内に入って来た。


 マーデクトハッチからポートルとフライが、ミクラットからガルシアが出て来た


 ガルシア「この子達は、ミクラットの中に来てもらいますのでお構いなく。」

回収班乗組員「分かりました。」

ガルシア「さ、入りましょ。ポートル。」


 ミクラットにガルシア、ポートル、フライが入る画。

そのまま2隻はハッチが閉じる。


 ミクラット内メインルーム。


 ソディナとフライは待機モードの画。

 ガルシアとポートルはシートに座っている。


 ガルシア「ポートル、フライ。なんか久しぶりに顔を見るわー。」

ポートル「通信だけでしたからねー。なんか会えて嬉しいです。あっ、それから、ハンジャがグランの言っていた指定場所まで行っちゃいました。」

ガルシア「⁉︎何でまたそうなっちゃったの?」

ポートル「連絡係だそうです。」

ガルシア「ふぅ……。またルイスがそうしたんでしょうね。……ま、この4番艦がノアーナに戻らなければハンジャとも連絡出来るわよ。……さてさて、ここからは軍の通信を盗み聞き。」

ポートル「えっ⁉︎ガルシアさん。それって、盗聴……?。軍の通信はここで聞けるんですか?」

ガルシア「ピンポイントのソロ通信は傍受が難しいけど、マルチ通信なら入ると思うわ。それに、この4番艦がカーラントやハンジャに近くなれば、そっちとも連絡出来る。」

ポートル「へー、私達の通信と変わらないんですね。」

ガルシア「基本はIDソロとIDマルチだから。ただ、出力は全然違う。軍のソロ通信は主に極秘事項の伝達に使う為に出力と通信構造が違うの。私達のAnn、モニターテーブルはソロとマルチ両方を切り替えて使えるわ。」

ポートル「なんにも知らないで使ってたー。」

ガルシア「軍やRJ計画管理部の受信システムはIDから位置情報も分かるのよ。……軍の通信の前に、まずはカーラントに連絡してみましょう。」


 モニターテーブルに映るIDの列。


 カーラントのIDにタッチするガルシアの指の画まで。


 画面は2人の画に戻る。


 ガルシア「こちらミクラット。カーラント聞こえる?ラムル?」

ラムルoff「こちらカーラント。ガルシアさん。この通信は4番艦からですか?」

ガルシア「そうよ。ソロ通信に切り替えて送ってるわ。感度は良さそうね?」

ラムルoff「ええ、感度良好。ただ……。」

ガルシア「ハンジャが地球に向かっちゃったのは、今ポートルから聞いたわ。さっきポートルと4番艦で合流したわよ。……ラムル、ルイスの事が心配なのね?」

ラムルoff「ええ、でも通信出来そうだし、ハンジャにはガットも一緒にいるので大丈夫です。」

ガルシア「今度はカーラントの回収の番ね。今私達はミクラットにいるの。軍の人が中へ案内しに来たけど断ったわ。だからこうして連絡出来てるって訳よ。」

ポートル「ラムル。ハンジャにはガットとガルアムが一緒なんだから、あまり心配しないで大丈夫よ。」

ラムルoff「ありがとうポートル。……カーラントがそっちに合流したら皆んなでここに移ってきて。カーラントの方が少しは広いので。それに何か有れば父上とも連絡出来るし。」

ガルシア「そうね。そうしましょう。では4番艦に入ったらまた会いましょう。」


 ガルシアは独り言の様に話し始めた。


 ガルシア「多分、地球に通信が繋がって、ラムルは向こうへ行こうか考えてたのよ、きっと。……でもルイスが……さすが親子ね。ルイスはラムルの思っている事を実行した。ルイスも分かってたんだわ。……それにしても、よくガットが付いていったわね。」

ポートル「あの船、頑丈そうだから。たとえ攻撃されてもルイスさんの操縦ならって思ったのかも……。」

ガルシア「カーラントが来るまでに何か聞けるかも知れないから、このまま軍の通信に聞き耳立てておきましょ。」


 Fade-out。



ストーリー169:とう…盗聴⁉︎


登場人物

1番艦フワンスオペレーター、グラン、ガルシア、ポートル、フライ、ソディナ、4番艦オペレーター、ラムル、ガット



 指定位置で停泊中のノアーナ軍1番から3番艦。


 ここでも通信には翻訳解析後のデータで行なっている。


 1番艦フワンスオペレーター「こちらノアーナ会敵対策軍1番艦フワンス。グラン=ジョリー総督機、応答願います。」

グラン「こちら地球連邦軍ヒューマノイド=アーマー総督機のグラン=ジョリー。まもなく指定位置に到着。」

フワンスオペ「了解。1番艦から3番艦までがシールドを格納、待機中。ヒューマノイド=アーマーが接近次第、シールド射出を始める。1機ずつ確実に受け取ってください。」

グラン「了解。ノアーナ星の協力に感謝します。」


 総督機コクピットのグランの画。


 グラン「全機に告ぐ。3隻の艦船よりシールドが射出される。順に受け取り、太陽方向へ向かう。射程距離内で100機1チームの体形を取り攻撃準備の事。」


 再び4番艦ドック内のミクラット。


 ガルシア「いよいよシールドが受け渡される。そのまま太陽方向に向かって行くの?……一体彼等のレーザービーム砲、どの位の射程なのかしら?」

ポートル「最初に地球に近付いた時、人型が演習してたの。バンズのところならデータは揃ってるんだけど……。Ann達は知ってるかしら?…ねぇフライ。人型の持つ武器のデータはメモリーしてる?」

フライ「ポートル様。それに関してはメモリー不足です。ヒューマノイド=アーマーの実体映像と内部構造はメモリーしていますが、武器データは有りません。これはバンズ様からメンテナンスを受けた際に新しいシステムになっている為。ですから武器に関してのメモリーが出来ません。……。……ソディナはどうでしょう?メモリーされていれば解析可能です。」

ガルシア「なるほど、ソディナのシステムは昔のまま。……ソディナ、人型の武器データはメモリーしてる?」

ソディナ「実体映像のみ残してます。武器の解析を進めますか?」

ガルシア「そうね、お願いするわ。」


 Fade-out。


 Fade-in。


 カーラント内メインルームのラムルの4番艦から通信。


 4番艦オペレーター「こちらノアーナ会敵対策軍4番艦コルドー。カーラント、ステルス解除願います。まもなく回収。応答願います。」

ラムル「こちらカーラント。ステルス解除。このまま停泊しています。」

4番艦オペ「もう1隻の宇宙船ハンジャも側で停泊中な筈でしたが確認出来ません。ステルスを解除願います。」

ラムル「あ、あの……。それが、ハンジャは地球人の指定場所まで向かったんです。」

4番艦オペ「……了解。カーラント回収後は位置情報の場所へ回収に向かいます。」


 一方盗聴(?)中のミクラット内メインルーム。


 ガルシア「聞いた?ポートル。ハンジャを回収する為に4番艦も指定場所へ移動するみたいよ。」

ポートル「まだもう少しは盗聴出来そうですよ、ガルシアさん。」

ガルシア「シールドも行き渡ればいよいよG15総攻撃ね。人型を操縦する人達、応援しなきゃ!」

ポートル「映像は届かなくても、音声だけでも聞いておきたいっ。私も応援する!」

ガルシア「ハンジャに連絡してみるわ。……こちらミクラット。ハンジャ、聞こえる?」

ガットoff「こちらハンジャ。目的地点までまもなく。通信状態は少しノイズ有りますが良好。」

ガルシア「こっちは4番艦に回収されちゃったから、何か有ったらIDソロで連絡お願いね。」

ガットoff「了解、ガルシアさん。」

ソディナ「ヒューマノイド=アーマーの武器の解析終了。データ出します。」

モニターに映し出されたレーザービーム砲のデータ。

ガルシア「これじゃ射程距離が短すぎる。余程接近しなきゃ当たらないじゃない……。だいじょぶなのかしら……。」


 ディゾルプ。



ストーリー170:シールド射出開始


登場人物

1番艦2番艦3番艦オペレーター(各)、グラン、シウロ=ダウガー、HM操縦士全員(声のみ)、ガルシア、ポートル、ガット、ルイス、4番艦オペレーター、ラムル、バンズ



 グラン「こちら地球連邦軍グラン=ジョリー。到着した。シールド射出を始めて結構です。」

1番艦オペレーター「3方向に停泊の艦船より順次射出。」

2番艦オペレーター「了解、準備OK!」

3番艦オペレーター「こちらも了解。射出します!」

1番艦艦長ダウガー「1番艦艦長ダウガーより2番3番艦へ。射出完了後、地球軍ヒューマノイド=アーマー射程距離と同位置に向かう。我々3隻は分かれて地球軍を援護。量子エネルギー砲用意。」

1番艦オペ「地球軍ヒューマノイド=アーマー操縦士全てに共通伝達。腕の左右どちらかにロックされる機構だ。シールド裏側センター位置に解除ボタン有り。手動解除可能。」

HM操縦士全員「ラジャー。」


 一方のヒューマノイド=アーマー。総督機。


 グラン「こちらジョリー。全機シールドを装備した機体は敵射程距離まで進行、位置に付け。」


 画面は4番艦船尾ドックに。


 ミクラットのガルシアとポートル。


 ガルシア「シールドが人型に渡された。いよいよG15へ向かうわね。」

ポートル「こちらミクラット。ハンジャ応答出来ますか?」

ガットoff「こちらハンジャ。地球の隣の惑星の公転軌道上が指定位置っぽいです。現在ステルスを使って停泊中。少し離れた所でシールドの受け渡しが行われています。」

ガルシア「ルイス、聞いてる?邪魔にならない所で待機して。連絡係を頼むわよー。」

ルイスoff「OK。ステルスで悟られないよう隠れてるわ。」

ガルシア「こっちの4番艦は今停止したからまもなくカーラントが回収されそうね。今度は、皆んなでカーラントに移る事にしたから、通信はカーラントIDにお願い。」

ルイスoff「了解したわ。そっちでも軍の通信は聞いてる?」

ポートル「ちゃんと盗聴してますっ。」

ガルシア「軍のIDマルチを聞いてるんだから、盗聴なんて人聞き悪いじゃない。」

ガットoff「そうですよポートルさん。全体連絡ですから、僕たちも対象だと思っちゃいましょー。」

ポートル「はいはい、全体連絡盗聴しまーす。」

ガットoff「だから盗聴じゃないですってば……。」


 カーラント内メインルーム。


 4番艦オペレーター「こちら4番艦メインフロア。カーラントは回収完了。」

ラムル「こちらカーラント。ミクラットの皆んなはカーラント内で待機します。圧力調整後移動します。」


 船尾ドックに音声が響いている。


 ドック内自動音声「ドック内隔壁ドアロック中。内部圧力調整中。……内部圧力調整中。ドック内に出ないでください。」


 ミクラット内メインルーム。


ポートル「ラムル、着いたみたい。フライ、ソディナ。カーラントに移動よ。」


 ドック内の圧力調整完了のグリーンランプ表現の画。


 ミクラットのハッチが開き、皆んなが出て来る。


 ガルシア「さ、行きましょうか。」

ポートル「さっきの係の人、入って来ませんね。」

ガルシア「3回目だし、どうせ中に来ないでしょ、みたいな?」


 話しながら開いたカーラントのハッチに入っていく2人とフライ、ソディナの面々。


 画面は変わり、カーラントメインルーム。


 ラムル「ポートル、久しぶりー。ガルシアさん。フライとソディナも久しぶりね。」

 フライとソディナはジャンとカウルの近くに寄って同期を始めた。


 ガルシア「ありがとうラムル。カーラントの時は乗組員の人、出てこないわね。」

ラムル「さっき連絡が来て。皆んなはカーラントに移動するって伝えておきました。」

ガルシア「あら、そうだったのね。係の乗組員が、また来て中へ案内するからって言われると思ってたから……ちょと拍子抜けだわ。少しからかってやろうと思ったのに……。」

ポートル「まぁまぁ強制されなかっただけ良かったんですからー。……カーラントでラムルは軍の通信は聞いてた?」

ラムル「うん、グラン達にシールドが届いたっての聞いた。ハンジャも近くにいるかしら?」

ガルシア「側で停泊中みたいよ。ルイスと話したわ。これからはソロ通信にして話さなきゃ筒抜けだからね。」


 ステルスを纏うハンジャの奥に1番から3番艦の画。


 ヒューマノイド=アーマーの光が飛んでいく様子。


 一方バンズのドック内メインルーム。軍の通信がかろうじて傍受出来る為、待機して聞いていたバンズ。

バンズ「シールドが渡って良かった。……カーラントまで回収されたわけね。……あれ?ハンジャはどうしたの???」


 ディゾルプ。



ストーリー171:ギランガ艦隊G15へ


登場人物

ブロント、ギランガオペレーターA、B、7番艦艦長ブライドン、4番艦オペレーター、ルイス、ガット、ラムル、バンズ



 旗艦ギランガ内メインフロア、艦長席。


 ブロント「シールド提供が終わった。地球軍の人型はG15射程距離へ向かったようだ。1、2、3番艦も同じ位置までステルス使用で航行中。こちらもG15へ接近する。」

ギランガオペレーターA「了解。G15に向け航行開始。」

ギランガオペB「5番6番7番艦もギランガに続け。」


 ブライドンoff「こちら7番艦キクラード。艦長のブライドンが駆逐艦の指揮を取る。3隻はギランガの後方支援に当たる。3方向に分散し航行せよ。」

4番艦オペレーターoff「こちら4番艦。宇宙船3隻の回収は完了。残り1隻はシールド受け渡し地点にて停泊中の模様。回収に向かいます。」


 ブロント独り言off「何⁉︎もう一隻回収出来ていないのか。……まさかルイスの1隻が離れて向かったんではないか⁉︎……。」

ブロント「こちらギランガ。カーレイだ。ハンジャ、応答せよ。」

ルイス「こちらハンジャ。あら、ブロント?」

ブロント「あらじゃないっ! 1隻が回収出来ておらんと聞いた。君の乗った船だろう?」

ルイス「ラムル達との連絡係ですわ。ちゃんとステルスを使ってるし問題ありません。」

ブロント「ギランガと艦隊はG15に向かっている。4番艦が向かったから、ハンジャはそこで回収を待ちなさい。いいねルイス。」

ルイス「4番艦にはギランガの後方に向かうよう指示してください。こちらも向かい回収を待つ事にします。軍の船に近い速度で航行出来るので……。その方向で伝えてくださいお願いします。」

ブロント「……仕方ないな、4番艦にはその様に伝えよう。」

ルイス「ありがとうブロント。」


 一方ハンジャ内メインルーム。


 4番艦オペoff「……了解しました。ギランガの後方に向かい宇宙船ハンジャの回収をします。」

ルイス「ガット、聞いた?4番艦はギランガ後方まで移動よ。」

ガット「カーラントは回収終わった様ですね。了解ルイスさん。ラムルさんに連絡入れます。」


 4番艦船尾ドック、カーラント内。


 ガットoff「こちらハンジャ。カーラント聞こえますか?」

ラムル「軍の通信は聞いてたわ。ギランガ後方まで向かうのね。私達の通信に支障が無くなって助かっちゃうわ。」

ガルシア「ガット?そのまま軍の通信には注意して聞いててね。こっちでも聞こえてくるから、私達は緊急連絡のみ取り合いましょう。ルイスのサポートしっかり頼むわよ。」

ガットoff「もちろんです。それではまた。」


 そしてバンズのドック内メインルームでも……。


 バンズ「ハンジャは別方向に移動⁉︎4番艦がお迎えに行ったわけか……さすがハンジャは速いんだね……。」


 Fade-out。

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