ストーリー172~174

ストーリー172:全機攻撃開始!


登場人物

グラン、ブロント、ギランガオペレーターA、B、1番艦艦長シウロ=ダウガー、バンズ、ピク



 G15を射程に収めたヒューマノイド=アーマー全300。


 それぞれ100づつの体形に陣取った。


 グラン「こちらグラン=ジョリー。自立惑星の弱点らしきを探査中。まもなく攻撃ポイントを決定。全機構えて待機。……旗艦ギランガ応答願います。」

ブロント「こちらギランガ。攻撃ポイントの座標が決定次第こちらも一斉攻撃に移る。」

グラン「了解。」


 グランは隊列を離れ、単機でG15に更に近付いて行った。

G15は探知したのかパルスレーザーでグラン機に攻撃を仕掛けてきた。……しかし、グラン機はレーザーの間隔を縫うように移動、更に弱点探査を続ける。

グラン「俺にはレーザーすら止まって見える。当たらない!」


 ギランガ艦橋、メインフロア全体映像のグラン機の画。


 ブロントoff「パルスを縫うように動くとは……まるで見えているかのような動きだ……優れた動体視力か……。あれがグランの特殊能力とやらかも知れんな。」

グランoff「ギランガブロント艦長。レーザー砲の砲門を発見出来た。そこを集中ポイントとする。応戦願います。……HM全機に告ぐ!攻撃ポイントは座標815。射程距離ギリギリから連続攻撃開始!……ギランガ他ノアーナ艦隊に要請。座標815を集中攻撃求む!」

ブロント「こちらノアーナ艦隊。健闘を祈る。……こちら旗艦ギランガ。5番から7番艦はステルス解除。座標815に集中攻撃開始!」


 G15からのパルスレーザー砲が、今度はギランガの方向に向けてきた。


 ブロント「5番艦から7番艦は量子エネルギー砲発射用意。敵にはギランガはステルスで確認出来ていない。パルスレーザー砲はこちらの位置を探っているに過ぎん。怯むな!ギランガは接近してから攻撃する。」

ギランガオペレーターA「量子エネルギー砲発射準備良し。」


 ……とそこへ、ギランガ左右両舷にパルスが命中。


 ギランガオペB「左右両舷にパルスレーザー砲命中。位置を特定される。蛇行しながら接近!」


 画面は1番艦から3番艦の画。HMは攻撃を開始している。


 ダウガー「こちら1番艦艦長ダウガー。人型からの座標確認。全艦ステルス解除、量子エネルギー砲発射!」


 閃光が走るG15。エネルギー砲塔は太陽に向けていたようだった為に、G15自体がゆっくり回転を始めた。量子エネルギー砲を向けるつもりだ。


 グラン「全機に告ぐ。自立移動惑星はゆっくり回転を始めた。攻撃ポイントを見逃すな!攻撃を受けた行動不能の機体は後方に待機!」

ギランガオペA「人型が攻撃により行動不能の機体が出た模様。」

ブロント「1番から3番艦で負傷機の回収を頼む!地球人の負傷者との会話に言語解析とマイクセットが必要だ。準備の上医療班の対応を頼む。……5番から7番艦は続けて攻撃続行。G15はゆっくり回転し始めた。指定ポイントを見失うな!。」


 1〜3番艦、5〜7番艦の2方向からの集中攻撃が始まると、G15の閃光は更に激しく瞬きだした。


 バンズのドック内メインルームであたふたしているバンズ。


 シートでのんびり聞いていられない様子。


 バンズ「せっかく人型と1、2、3番艦が攻撃始めたのに、ギランガにパルスレーザー⁉︎……ステルスで確認出来ないからって当てずっぽうで発射してるんだ。…位置を確認されなきゃいいけど……。」


 シートに座るバンズ。


 バンズ「ピク、おかわりお願い。ったく聞くだけの情報じゃ見えてこないじゃん……。」

ピク「バン。これで3杯目です。ミルク多めにしますか?」


 ディゾルプ。



ストーリー173:ハンジャまもなく追いつく


登場人物

ルイス、ガット、ラムル、ガルシア



 G15への集中攻撃が開始され、時折閃光でノアーナ艦隊(5番〜7番艦)の影が移る画。そこに手前からステルスを纏ったままハンジャが奥へ飛ぶ。


 ルイス「ガット、カーラントに繋いで。」

ガット「了解。……こちらハンジャ。カーラント聞こえますか?」

ラムルoff「こちらカーラント。まだハンジャを捉えてないわ。もう艦隊後方に到着したの?」

ルイス「ハンジャはステルスで航行してる。捉えられないわよ。……こっちはまもなくよラムル。……攻撃の閃光が凄い。4番艦とギランガ以外は総攻撃を始めたようね。」

ガルシアoff「聞いてたわ。……でも、既に人型の行動不能の機体が出ているようよ。」

ガット「はい、それは1番から3番艦で負傷機体の回収をしながら攻撃を続けているようです。」

ルイス「ギランガは致命傷を与えられるまで攻撃を抑えているようね。ブロントは何をする気かしら?」

ガルシアoff「4番艦のドックの中じゃ、詳細な画像が入らないけど、ルイス、そっちはどう?」

ルイス「コクピットのモニターじゃ閃光が邪魔して捉えられない。横のジックでも無理みたい。……ガット、そっちは?」

ガット「メインシステムでも同じです。攻撃のエネルギーが強すぎるせいで全く見えません。」

ガルシアoff「このまま通信に聞き耳立ててるしかなさそうね。」

ルイス「ハンジャが停止したら状況変わるかも。また連絡する。」


 Fade-out。



ストーリー174:旗艦ギランガ緊急脱出


登場人物

ブロント、ギランガオペレーターA、B、7番艦バウロス=ブライドン艦長、ルイス、ガット



 再びG15のパルスレーザーがギランガに命中した。


 G15へ接近中のギランガ艦橋メインフロア。


 そこへ突然、警報が鳴り響く。


 ギランガオペレーターA「艦長!緊急避難の警報発令!」

ブロント「馬鹿な!何の衝撃も無く攻撃を受けたのか⁉︎」

ギランガオペB「分かりません。両舷に受けたレーザーのせいとも思われません。今の被弾の影響でしょうか……。」


 警報が鳴り響いている艦橋メインフロア。


 ブロント「緊急脱出用ボートに全乗員は至急移動せよ。緊急避難。緊急避難。」

オペB「船体の負傷箇所が把握できていません。このまま緊急避難でよろしいですか?」

オペA「艦橋以外の乗員は脱出準備中。艦長も準備を!」

オペB「艦橋乗員も避難を開始。艦長!」

ブロント「私は最後に向かう。慌てるな。オペレーター諸君も至急脱出準備しなさい!至急だっ!」

オペA「メインフロア乗員も直ちに避難!艦長、脱出ボートでお待ちしてます。急いで!」


 ハンジャ内で通信を聞いたルイス。


 ルイス「ギランガの被弾で緊急避難⁉︎全乗組員が脱出するの?。」

ガット「ダイム金属のタイルで守られてる筈じゃなかったんですか?まぁ攻撃の当たり角度によってはダイムは剥がれますが……。」


 緊急避難のギランガ、船体後部ドックでは脱出用ボート6隻が並んでいる。


 艦内やドックでは、まだけたたましく警報が鳴り響いている。


 画面はギランガ船尾の画。ゆっくりと脱出口が開いていく。


 画面がドック内に切り替わると同じ様に脱出口が開いていく画。

警報はまだ鳴り止まない。


 艦長席にはまだブロントが座っていた。


 モニター画面で、脱出口が開いた表示。


 操作をするブロントの手の画。


 ブロント「緊急脱出!全機射出!」


 再び船尾からのカメラ目線。

6隻の脱出ボートが順に射出されていく画。


 ブロント「こちらギランガ。7番艦ブライドン艦長へ。攻撃止め!至急脱出ボートの回収を頼む。」

ブライドン「カーレイ長官!至急脱出を。」

ブロント「ブライドン艦長。今の私はギランガの艦長だ。このまま最後まで残る。脱出ボートの至急回収を開始!」

ブライドン「うっ。……り、了解。こちら7番艦。各脱出ボートに告ぐ。至急回収に向かう。」


 ギランガの脱出口が閉じる画。


 ハンジャ内コクピットのルイス。


 ルイス「ブロントだけ艦橋に残ったの?ガット。ここからギランガの映像出る?」

ガット「お待ちください。……。……。……画像出ました。コクピットのモニターに転送します。」

ルイス「何なの?ギランガは無事じゃない!被害箇所が見当たらない!……。」

ガット「それでは何故脱出ボートを出したのでしょう……。」

ルイス「7番艦に回収指示してる訳だから、カモフラージュの無人ってわけじゃない……。まさかブロント、……あなたはわざと乗員を逃したの⁉︎」


 ギランガ艦橋のブロント。通信を終え、再びモニター操作。


 緊急避難警報が鳴り止む。ため息をつくブロント。


 一連の避難警報、実はブロントが故意に警報発令の操作をしたのだった。


 ブロント静かに「量子エネルギー砲、照準座標815セット。再度エネルギー充填。」


 G15の座標815に艦隊が集中砲火を浴びせる画。


 残っているヒューマノイド=アーマーと共に、攻撃は絶えず続いている。


 一方で状況を聞いていたバンズのドックでは……。


 バンズ「まずいまずいまずい!ギランガがどうして緊急避難⁉︎……何が有ったんだ⁉︎7番艦が回収の為に攻撃を止めた。……1から3、それに5、6番艦の5隻と人型……。それでG15には致命傷を与えられたの?……。」


 Fade-out。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る