ストーリー165~167
ストーリー165:4番艦コルドー、ミクラット回収
登場人物
4番艦回収班乗組員、ドック内自動音声、ガルシア、ソディナ、ポートル、ルイス、ガット、グラン
4番艦船尾ドックに回収されたミクラットの画。
音声が響いている。
ドック内自動音声「ドック内隔壁ドアロック中。内部圧力調整中。……内部圧力調整中。ドック内に出ないでください。」
一方ミクラット内メインルーム。シートに座るガルシア。
ガルシア「せっかく天体観測データで楽しもうと思ってたのに……。回収されたら身動き取れないじゃない……ブツブツ……。」
ソディナ「ガルシア様。かなりの観測が出来ました。このドックからでも観測は続けられますが、どうしますか?」
ガルシア「ソディナ。この辺で終わりにしましょ。……それで通信はどう?IDソロに切り替えてバンズのドックに連絡してみて。」
ソディナ「了解、ガルシア様。バンズのドックに繋いでみます。」
ガルシア「こんな殺風景なドックでは退屈だから、軍の通信を聞いていようかしら……。皆んなが回収されたらここに集まってもらう事にしましょ。……ソディナ?どう?」
ソディナ「もう距離が離れてしまい通信出来ません。」
ガルシア「あら。じゃあマーデクトにはどうかしら?」
ソディナ「分かりました。……こちらミクラット。マーデクト応答願います。」
ガルシア「マーデクトには近付いてるんだし届くんじゃない?」
ポートルoff「あら、ソディナ。ポートルよ。ノイズが少し混ざって感度はイマイチねぇ。ガルシアさん聞いてますか?」
ガルシア「ポートル?ちょっとノイズが入るけど、聞こえるわ。今後はIDソロで連絡しましょ。」
ポートルoff「了解。マーデクトからはまだ4番艦は捕捉出来ないけど、どうですか?」
ガルシア「分からない。私はミクラットに居るわ。誘われても軍艦には入らないわよ。」
ポートルoff「えー普段軍艦の中なんて見られないのに、もったいないよぅガルシアさーん。」
ガルシア「いえ、私は規則に縛られるんだったら、船に残った方がマシ。」
ポートルoff「そっか、そういう事ですね。じゃ私も回収されたらミクラットに移りますね。」
話の間に回収班乗組員がミクラットにやって来た。
ガルシアはハッチを開き出て行く画。
回収班乗組員「ミクラット乗員のガルシア=オフェイル様ですね。中でお待ちください。ご案内します。」
ガルシア「いえ、結構よ。私の船の中で構いません。そう伝えてください。」
回収班乗組員「分かりました。船の中ではシートに座っている様にしてください。」
ドックを去る回収班の後ろ姿。
ミクラットに入って行くガルシアの画に。そしてハッチが閉じる。
ガルシア独り言off「あーしろこーしろと言われ、この部屋から出ないでくださいってのが目に見える様だわ、フンっ。」
ガルシア「さて、ソディナ。ポートルが来るまで観測データ鑑賞といきましょうか。」
ソディナ「了解です。ガルシア様。素晴らしい画像盛り沢山ですよ。ではモニターテーブルで最初のデータからご覧ください。」
4番艦コルドーが、画面手前から奥へ航行する画。
画面は変わり、航行中のハンジャ内メインルーム。
ルイス「ガット、地球の通信状況は?」
ガット「まだ受信出来ません。こちらから送信しますか?」
ルイス「コクピットから送るわ。繋いで。」
ガット「了解。指定周波数で出力レベル最大。地球言語で送信出来ます。……繋ぎました。ルイスさん、そのまま話していいですよ。」
ルイス「了解。……こちらは宇宙船ハンジャのルイス=カーレイ、ラムルの母です。グラン=ジョリー総督、応答願います。」
地球大気圏を離脱してHMを率いて飛ぶ総督機。
グラン「ラムルの母親⁉︎……通信してきた!……こちらヒューマノイド=アーマー総督機、グラン=ジョリー。指定した位置まで進行中。」
ルイス「グランさん。ラムルの母のルイスです。そちらのシールドの設計図では製造が間に合わない為、設計変更したシールドを輸送中。軍の艦船3隻で指定位置に航行中。地球時間であと2日も有れば到着します。詳しくは、合流近くなったら連絡を取り合って、シールドを受け取ってください。こちらの船も指定位置まで直ぐに向かいます。」
グラン「了解しました。感謝します。また連絡を。」
地球をバックにHM全機が向かってくる画。
グランoff「全機に告ぐ。協力してくれた星からの艦船は指定位置まで2日。こちらも全速で向かう。」
ストーリー166:ペンダントの事を伝えられた……
登場人物
ブロント、ギランガオペレーター、グラン、4番艦オペレーター
旗艦ギランガ艦橋。メインフロア、艦長のシートのブロント。
ブロント「ノアーナからの4隻の
ギランガオペ「ノアーナ寄りの2隻は確認。他2隻はステルスを掛けて停泊中と思われ確認出来ませんでした。」
ブロント「地球時間もモニターに表示するよう変更。……地球指定周波数に通信開け。地球言語での通信用意。」
ギランガオペ「了解。通信回路開きます。」
ブロント「こちらはノアーナ会敵対策軍旗艦ギランガ。艦長のカーレイだ。地球の人型操縦者に告ぐ。シールドを積載した艦船から受け取り後の作戦計画データの送信を乞う。こちらは太陽付近に向け航行中。旗艦及び3隻の駆逐艦で攻撃をかける。」
グラン「こちらグラン=ジョリー。人型ヒューマノイド=アーマーは、シールド装備次第、順次G15に向け出撃。計画データを送信します。」
ギランガオペ「データ受信。解析します。」
ブロント独り言off「通信、データ構造、言語……ノアーナでも昔はこうだったのだろうか……技術の違いとは何とも歯痒いものだ……。」
ギランガオペ「艦長、処理できました。全体映像にします。」
ブロントoff「ヒューマノイド=アーマー100ずつの1点集中攻撃。レーザービーム砲のエネルギー充填タイムラグ2秒……。その連続照射……。それに対してこちらの量子エネルギー砲は連続照射可能……。これもまた技術の差か……。」
ブロント、グランとのソロ通信。
ブロント「グラン君。1点集中照射の位置を決定しておこう。こちらも同様に攻撃する。G15画像から指示を。必ず弱い部分があるはずだからな。その地点は周知させる様に頼むぞ。」
グラン「カーレイ艦長に同意します。ヒューマノイド=アーマー全機に周知させ、射程距離まで向かいます。」
ブロント「グラン君、この時にこんな話で申し訳ないが、君はスカーレットの、いや母からペンダントを受け取っていないか?」
グラン「⁉︎……何故ペンダントの事をご存知なんですか?」
ブロント「それは私がスカーレットに残した紋章のペンダント。」
グラン「今も持っています。あなたは特殊な力がある。それで周囲の人を守れと、母は言っていました。ペンダントは母の言葉と共に忘れた事は有りません。」
ブロント「そうか。当時スカーレットには、重力制御回路を渡してある。小さな基板だ。解析してみるといい。地球の役に立てばいいがね。以後はオペレーターとの通信を行ってくれたまえ。」
グランのコクピット。
グラン独り言off「カーレイ長官が残したペンダントだったのか……祖父から私に繋がったということか……。基板……その基板は思い当たらない。戻ったら探す必要があるな……。このペンダントヘッドは紋章だったのか……。」
紋章のUPの画。Fade-out。
地球時間で到着予定が迫ったノアーナ艦隊1番から3番艦。
画面はギランガ艦橋に。
ギランガオペ「1番から3番艦、まもなく位置情報通りの場所に到着予定。」
ブロント「よろしい。人型ヒューマノイド=アーマーへの受け渡しは速やかに行える様準備を指示。接近を確認したらステルス解除だ。」
ギランガオペ「分かりました。……こちらギランガ。1番2番3番艦に共通指示。シールド受け渡しが速やかに行える様準備せよ。接近が確認出来たらステルス解除の事。」
一方で宇宙船回収の4番艦、メインフロア。
マーデクトに接近中の画。
4番艦オペ「前方に宇宙船を確認。……こちら4番艦コルドー。宇宙船マーデクトにまもなく到着。そのままシートに着いて待機せよ。」
ディゾルプ。
ストーリー167:バンズのささやかなサプライズ計画
登場人物
バンズ、ピコ、ピク
バンズのドック。
通信の合間に船を組み立て、しばらく経過した。
ようやく船も形になってきている。
ガットがいる間に、重量物の搬入を終えていたので、据え付けの溶接作業が主な作業。それもまもなく終わり推進系の接合に移る。配管や配線は接続を残すのみとなっていた。
バンズ独り言off「カーレイ長官に見せてなかったじいちゃんは、多分ダイムの事が有ったからだろうな。ドックの設備も並大抵のドックとは違ってる。……長官が見たら驚くだろうな。ま、約束してくれたと言う事は、きっと見てみたいんだろうな。」
バンズ「あ、ピコ。コクピット周りのハーネスの接続は終わらせていいからねー。」
ピコ「了解バン。この作業の後で取り掛かります。」
船から降りてくるとピクの横に座った。
バンズ「ピク、休憩なの。いつものお願いー。」
いつもの濃いめで熱めでのコーヒーが出されると、ピクはテーブルモードに落ち着く画。
バンズ「ありがとうピク。」
ピク「ごゆっくり、バン。」
カップを手にしながら、
バンズ独り言off「小さいボックスのザクラートの塊……あれは皆んなにはしばらく黙っていよう。……もうミクラットやマーデクトは回収された頃かなー。」
バンズの後ろ姿から組み立て中の船を見上げた画。
バンズ独り言off「アタイには手に余る船だわ……。マニュアル航行も出来るコクピットと操作系ポジションにしたから、ルイスさんに操縦してもらう?なんか
ディゾルプ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます