ストーリー108、109
ストーリー108:ガルシア到着する
登場人物
ラムル、ルイス、ガルシア、ジャン、カウル
エンジャー=ガル郊外。
ガルシア邸に降り立ったラムルのフローター。
既にガルシアは荷物と共にお出迎えだった。
フローターから出て来るラムルとルイス。
ガルシア「こんにちはルイス、ラムル。来てもらって悪いわね。……シューロンでは少しの間滞在させてね。」
ルイス「シューロンは久しぶりなんだし楽しんで帰ってもらわなきゃ。さ、乗って。」
貨物室で荷物を受け取るラムル。
ルイスとガルシアは後部シート、ラムルはジャンと操縦席。
このフローターのシートではカウルはキツそうだったので、ジャンだけ連れてきていた。
上昇するフローターの画。奥へ飛ぶ。
画がコクピットを後ろから見る画に。
ラムル振り返って、
ラムル「母上は、バンズやポートルとは面識あるんだし、このままバンズのドックに向かうのはどうかしら。」
ガルシア「私は構わないわよ、ルイス。」
ルイス「そうね。ブロントには外出の事は話してあるし。……ラムル、向かっても構わないわよ。」
ラムル「じゃ、そうします。」向き直るラムル。
フローターのID履歴からバンズのドックを選択。通信。
ラムル「バンズー?側にいるかしらー?」
ポートル「はぁい、こちらバンズのドックよー。バンズはガルシアさんに見せる資料の整理中―。」
ラムル「ずいぶんテンション高いねポートル。」
前の席に乗り出して、
ガルシア「こんにちはポートル。楽しみにしてるからってバンズに伝えてね。ポートルとは今晩の話もしなくちゃ。待っててね。」
通信を切ると、
ラムル「ガルシアさん?今晩って?」
ガルシア「豪華バーベキューパーティに決まってるでしょ。バンズの家、お庭が少しあるって前に話したから。」
ラムル「だからあの大荷物なんだ(汗)。」心の声「ポートルのテンションもそのせいか…。」
ヘッドレストにもたれながら、
ラムル「ガルシアさんからもらった小さな板、あれはダイム金属で間違いなかったわ。カウルがダイムを知ってて、少し話が進んだ感じよ。カウルはバンズのところに待機してもらってるから、着いたら紹介出来るわ。」
ガルシア「それも楽しみにしてたわー。カウルが見せてくれるってものも有るって事だし、皆んなでまたバーベキューしながら話せるし、良いシューロン滞在になりそう。」
ラムル「バーベキューは今晩最後のお楽しみにして、母上やガルシアさんも一緒なので少し今後の事で話をしたいんです。」
ルイス「それはやっぱりブロントに知られては困る事ね?」
ラムル「それは当然なんだけど。……母上とガルシアさん、私と友人2人の親交を深めたいし……。」
ジャン「ラムル様、まもなくシューロン=ガルに入ります。」
ラムル「了解、ジャン。バンズのドックに近くなったら知らせてね。」
ラムル、姿勢そのままでジャンに向き、答えた。
ラムル「母上達と親交ってのはちょっと失礼なのかもだけど、私達それぞれ提案が有るので、協力をお願いする事になるだろうし。バンズやポートルももっと話し易くなるでしょ?」
ルイス「ゆっくり話をしてれば性格も考え方も見えてくるわ。あなた達が壁を作ってそれを高くしちゃう必要は無いのよ。隠し事をして勝手に無茶な行動もダメ。私とガルシアはいつもオープンでいるわ。……でしょ?ガルシア。」
ガルシア「うんうん、ルイスの言う通り。ラムル達がリターナで紋章を見つけた話を聞いてから、あなた達と気が合いそうなのを予感した。親交と思ってくれていいわ。」
ジャン「まもなくバンズのドックに着陸です。」
ドックに駐機したフローターから出てくる面々。
駆け寄るバンズとポートル。
バンズ、ポートル「ようこそ、ルイスさんガルシアさん。」
ポートル「歓迎の横断幕、作った方がよかったかしら。」
ガルシア「変わりないわねポートル。貨物室の荷物一緒に運ぶの手伝ってもらえないかしら?豪華バーベキューパーティ、一式準備してきたわ。」
ポートル「やったー。バーベキューパーティ〜〜〜!。」
バンズ「現金なヤツめ……。ルイスさんラムル、メインルームに。」
その横をすれ違うジャンの画。
貨物室からガルシアとポートルが荷物を運んでくる。
普段と違った日常を楽しんでいる皆んなであった。
Fade-out。
ストーリー109:バンズのドック最大討論!(その1)
登場人物
ラムル、バンズ、ポートル、ルイス、ガルシア、カウル、ピク、(ジャン、ピコ、フライ台詞無し)
バンズのドック。
メインルームのいつもの場所に、テーブルと3人のシートと来客用シートが2台。
テーブル近くでピクが待機していた。離れたところにはカウル、ピコ、フライも待機モードだ。
メインルームに入ってくる面々。バンズはルイスとガルシアにシートを勧め、3人はいつものシートに収まった。
ピク「いらっしゃい。はじめましてピクと申します。紅茶かコーヒー、どちらがお好みですか?」
3人には、いつものお好みの飲み物が出された。
ルイス「はじめましてピク、ラムルの母親のルイスよ。私は紅茶をそのままいただくわ。」
ガルシア「ガルシアよ、はじめまして。私はコーヒーの濃いめ、甘さは普通で。」
ピク「かしこまりました。温度とミルクはどうしますか?」
ルイス「私は熱くなく普通でミルク少しね。」
ガルシア「私、熱めでミルク少し。」
ルイスとガルシアの2人は感心しながら、ピクの給仕に驚いている様子。
やがて、頭(?)に2人分が用意され、高さを合わせてテーブルモードに落ち着くピク。
ピク「お待たせしました。ごゆっくり。」
ルイスとガルシアは声を揃えて、「あ、ありがとう…。」
テーブルに変わったピクに感心の2人。
バンズ「ピクは給仕をするAnnです。好みはメモリーされたので、違う物が欲しい時は声掛けてあげてくださいね。」
ルイス「この子も良い子なのね。ちょうどいい高さのテーブルに調整してくれるなんてビックリ。」
ガルシア「あなた達3人に、黙って飲み物が出てくる辺り不思議だったけど、そういうAnnなのね。」
ポートル「バンズが作ったの。」
ラムル「それに、バンズは凄いの!ロワート=グロビア博士の孫。カウルをカスタマイズしたのもバンズの祖父なの。」
ポートル「ほえぇ。バンズ凄いっ!」
バンズ「アタイが凄いんじゃなくて、じいちゃんが有名になっちゃっただけ。アタイは影響受けてメカニックやってるだけ。」
ポートル「照れなくてもいいじゃん。バンズだって凄腕なんだからさ。」
ルイス「ラムル、色々提案が有るって言ってたけど?」
ラムル「私だけじゃなくバンズやポートルも提案は持ってると思うから……。」
バンズ「じゃ、まずはガルシアさんにカウルの紹介。」
ラムル「う、うん。……カウル、ここへ来て。」
皆んなの側にやって来たカウル。
ラムル「ガルシアさん、カウルよ。」
ガルシアに寄り、
カウル「はじめましてガルシア=オフェイル様。カウルと申します。データは少々記憶しております。」
ガルシア「そうね、あなたの友達達が知ってるものね。色々話をしましょうねカウル。」
ラムル「それから……。カウル、ガルシアさんにも見せて。許可するわ。」
カウルは言われると変形した。
バンズ「当時長官に依頼されてじいちゃんが手掛けたそうです。」
ガルシア「ひ、人型に変型⁉︎……ルイス、これをブロントが⁉︎」
ルイス「護身用のカスタマイズだそうよ。RJを実行するにあたってもし何か有った時、カウルを守りたいって気持ちから。」
ポートル「人型禁止のノアーナ法はどこへやらって感じよね。」
ラムル「何故そんなに法で縛り付けるのかが分からない。」
ルイス「ラムル。……Annは
ラムル「……。」思い描いている様子のラムル。
バンズ「ルイスさんの言う通り。だからこそ人は、Annに正しい指示を続けなきゃならない。……それを言いたい法律なんだとアタイは思うな。」
ラムル「ステルスで隠れながら暮らして人型は禁止して?」
バンズ「ったくウチらの姫様は分かってないなぁ。ノアーナは……ステルスで隠れて、G15に怯えていても、今の外の景色を見れば分かるでしょ。それって仕方ない選択、平和で豊かな選択……。」
ポートル「そうね。ノアーナの事を代々のカーレイの方々が厳しく指揮してくれてたからなのかも知れないなぁ……。」
ラムル「でも……リターナの今は、見ての姿よ……。」
ルイス「戦役で犠牲になった人のほとんどは武器を手にG15に向かった軍人、一般の人達はノアーナに渡ってるわ。武器を捨てて、ステルスで隠れながら……それで今があるの。当時戦った人達には申し訳ないけど……。」
ラムル「結局、身を守る方を選択したのね……。」
ポートル「地球のシャルルさんの最後の言葉。……あなたのその力で周りの人を守りなさい。……よね。ラムル、バンズ。」
バンズ「シャルルさんかぁ……今のノアーナ人とそっくりじゃないかー。それって遺伝子が受け継がれたって事かなぁ。」
ラムル「そうね……。」
ポートル「私達の、なんちゃってRJもその後が気になっちゃうけど、地球のグランには私達の思いは伝わってるんじゃないのかな。……彼は侵略者から守っている。そう言ってたわよね。」
ガルシア「悪い考えを持つ人から守っている。ノアーナのステルスと一緒ね。」
ラムル「私、侵略者に立ち向かうグランと似てるのかも……。私は立ち向かうと思う。」
ガルシア「それはね。……ラムル、それは……。ルイスの遺伝よ。」
ルイス「なんて事言うのよ!ガルシアっ!!……(小声)でも、それは否定はしないけど。」
バンズ「ウチらの姫様はル、ルイスさんの遺伝だったんですか⁉︎」
ガルシア「RJ計画には賛否両論、昔から有った事よ。シャルルさんとグランさん?……ノアーナ人との子孫ってのも賛否両論よ。その
ディゾルプ。
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