第2話 友だちのなっちゃん

 私となっちゃんは夕方のカフェでアイスコーヒーを飲みながら、私の雀荘デビュー戦の話をしていた。なっちゃんは私と同い年の二十三歳。なっちゃんは社会人である。すると、なっちゃんはアハハって笑い声を上げる。


「そんなに笑わなくてもいいじゃん? なっちゃんは麻雀を打ったことがあるの?」


「笑ってゴメンゴメンw 麻雀? 雀荘? 経験あるけれど?」


「え! なっちゃんって、麻雀を打つの?」


 えーと? 知らなかった私。


「うん。職場の付き合いで麻雀を覚えたけどね」


「もしかして、なっちゃんって麻雀が強いの?」


「うーん、一応は打てるけどね? なんなら、今からその東風戦雀荘に一緒に行く?」


 え? えー! なっちゃんって同じ女なのにすごい自信があるのね?


☆☆☆


「いらっしゃいませ~、って、この間のお姉さん?」


「ええ、そうです。今日は友だちを連れて来ました」


 うう、この間は五百円分の負け分を、この雀荘で支払いを急いでしてあんまりいい思い出がないのよね。うーん、今日はなっちゃんだけが東風戦を打つので私は見学なのよね。ん? あんなに長い説明をなっちゃんがすらすらと確認しながら聞いている? え? まさかね?


「それじゃ、よろしくお願いしますね」


 そう言って、なっちゃんが雀卓の席に着く。あれ? なっちゃんって本当に雀荘慣れをしているのね? 麻雀パイの触り方とか捨て方とか見ててカッコいいけど?


「ロン、マンガンのご祝儀青ドラで、八千点と千円です」


 私は目が点になる。ん? 開始から五分足らずで、もうなっちゃんが上がった? しかも、点棒とご祝儀の計算が早い?


「ツモ、ハネマンの赤赤青ドラで、親の六千オールとご祝儀二千円オールです」


 えー! なっちゃんって本当に麻雀が強いの? って言うか、さっきから何一つ私は計算を理解出来ない。というより、麻雀を打つスピードが早いのだ。


「ちょっと待った。オレはこれで辞めるよ。お姉さんが強いなぁ」


 私は目が点になったままで、なっちゃんが東風戦を一回打ち終わり、私の方を見てニコッと笑顔を。


 なっちゃん、強い!


 って、まだ打つの!?


続く

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