第2話 ポーカー
閣下、部下とのカード遊びは暫(しばら)く控えて下さい。
どうして。
俸給を巻き上げられたと聞きました。
やりたい者を募(つの)って、集まった時しか遊んでいない。
数が揃わないことも多い。無理に付き合わせたことはない。
それは調べが着いております。
問題は閣下が勝ち過ぎていることです。
互いに本気のゲームだ。態(わざ)と負けさせたこともない。
たかが遊びでお前に泣き付くとは、我が騎士達も落ちたものだな。
泣き付かれた訳ではございません。
俸給の前借りを願い出た者がおりましたので、理由を問い質しました。
あいつか。
最後に大きく賭けさせ過ぎたか。
前にもお伝えしましたが、お小遣いが欲しいのならば仕事をして下さい。
成果に合わせて配当致しますので。
それが一番おかしいだろう。なぜ私の俸給だけ歩合制なのだ。
しかも領地税収の前年比しか見ておらぬから、増えるばかりか減ることすらあるのだぞ?
増やせば良いのです。
お前は鬼か。
ならば経済規模に合わせたベースアップはしてくれ。
この五年で漸(ようや)く物価が王都に追いついてきたと言うのに、私だけ俸給の基準(ベース)が変わらないのはやり過ぎだろう。
考えておきましょう。
なので、カード遊びはほどほどになさいますようお願い致します。
なぜ私がここまでカードが強くなったのか、そのことを考えてくれ。
本当に何とかしてくれ。
※補足
文中上手く説明出来なかったので。
五年前のお小遣い10,000円。物価牛丼一杯250円で40杯分の価値(低開発の領地で物価低いので物が安い)。
現在、お小遣い10,000円×領地収入の増加割合(税収が1.5倍ならお小遣いも1.5倍)。
但し、領地が好景気で物価上昇中。牛丼一杯400円に値上がりしてるので15,000円でも37.5杯しか食べられない。つまり、実質お小遣いで買える物は減っている。
しかも、冷害などで収入が横ばいだった年は、物価上がってるのにお小遣い五年前と同じとかになるため、せめて領地規模に応じてベース(10,000円)を上げて欲しいと言うことでした。
「中学生になったんだからお小遣い上げてよー」ってやつと多分同じです。
分かりにくくてごめんなさい。
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