第12話~夏海サイド~

☆☆☆


放課後になり下駄箱へ向かうと、あたしの上靴きがなくなっていた。



あたしは小さく息を吐きだし、周囲を調べる。



しかし、目につく場所には隠されていないようだ。



仕方なく校舎内へ戻ってトイレの中やゴミ箱の中を確認していく。



一週間前にも同じように靴を隠されて、そのときは掃除道具入れの中から見つかった。



今度も同じように探してみるけれど、そこにはなかった。



もうほとんどの生徒たちが帰宅していて、残っているのは部活動をする生徒ばかりだ。



「どこに行ったんだろう」



あたしは途方もなく呟く。



靴を探しながらどこからか笑い声が聞こえてくると、その度にあたしはビクリと体を震わせた。



あたしの靴を隠した犯人が、今のあたしを見て笑っているのではないか?



そんな気持ちになるのだ。



梓も凌もすでに帰ってしまった。



あたしに声をかけてくれる人は誰もいない。



だって……3年E組の中であたしとまともに会話をしてくれるのは、あの2人だけだから……。


☆☆☆


生存者 12名


香川 夏海 長尾 凌 



本間 公平宮本 美久 



井原 マリ山口 雄大 



奏 秀 大西 優香 



三好 ミチル 赤木 太一 



近藤 大祐 河野 響


死亡 2名


森谷 梓 小野 早紀

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