第3話~夏海サイド~

「さっきのアナウンス。残り13名って言ったよな」



凌が険しい表情で呟く。



「E組は全員で14人。梓がし……死んだから、残り13人で間違いないでしょ」



三好ミチルが冷静に答える。



しかし、その顔は真っ青で今にも倒れてしまいそうだ。



「いや違うよ」



あたしは左右に首を振った。



「起きた時、あたしたちは13人しかいなかった。響がいなかったから」



そう言うとミチルは「あっ」と、小さく声を漏らした。



13人しかいない状態で1人減れば、当然12人ということになる。



しかし、アナウンスは13人だと言った。



ある予感が頭にもたれかかってくる。



「もしかして、響もどこかにいるってことなのかも……」



そう言い、全員の顔を見回した。



当然そこに響の姿はない。



「最初のアナウンスで、生き残り全員がそろえば外へ出られるって言ったよな? それって、響を探さないと出られないってことじゃないか?」



凌があたしと同じ考えを示す。



この広い学校内のどこかに響がいる。



スマホはないから、連絡を取る手段はない。



でも、これだけの人数がいるならきっと見つけることができるはずだ。



「とにかく響きを探してみよう。まずは自分たちの教室がある3階からだ」



凌の言葉にあたしは頷いた。



どうすればいいかわからない状況で、こうしてみんなをまとめてくれるのはありがたかった。



あたしは梓の遺体へ向けて手を合わせたのだった。

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