【新稿】おまけの章(3)『セーラームーン』その2

●「キラリ★スーパーライブ」(04)

 2004年5月2日、よみうりホールで行なわれたライヴの模様を収録したものである。

 ドラマとはほとんど関係がなく、戦士たちの唄が堪能できるライブだが、こういうライブのお約束とも言える「観客いじり」は、四天王が請け負っている。特にクンツァイトのアドリブが楽しい。いま出ているsuper special DVD-BOX にも入っているので、気軽に楽しんでいただければよい。なお、旧版のDVDでは、四天王にタキシード仮面が加わった、男らだけの緊急座談会」も入っている。


●「美少女戦士セーラームーン アクト ゼロ」(03?)


 本編では描かれなかった、セーラーV誕生のエピソードなのだが、本編が30分しかなく、旧版のDVDでは、「タキシード仮面 誕生の秘密」(脚本・監督 加藤弘之)「陽菜……その後」(脚本・監督 大峯康弘)というオリジナルのミニドラマに、「うさぎ&衛のロケ地めぐり」「クランクアップコメント集」が収録されている。


●「美少女戦士セーラームーン スペシャルアクト」(03?)


 実写「セーラームーン」は予想外に人気だったようで、本編に続くスペシャルドラマが作られた。なぜ「予想外」と断定するかと言うと、旧作DVD-BOX では、文字通りのBOXが作られたのだが、この一枚が入るスペースがないからだ。


 ……戦いから四年。少女たちは、それぞれの道を歩んでいた。亜美はアメリカへ留学、レイは修行のため京都の山へ、まことはフラワーアレンジメントの勉強中、そしてうさぎは、衛と来週結婚するのだが、ささいなことから言い争いになり、結婚を取りやめる所まで話が進んでしまう。

 ここまでで気につくのは、北川景子が、芝居を抑えられるようになった、ということだ。たしかに番組は、ひとりの女優を育てた。

 話に戻ると、本編終盤の敵キャラ・黒木ミオ(有紗★)が復活し、新しいダーク・キングダムを作ろうと画策、妖魔を街に放ってエナジーを集めようとする。同時に、衛と結婚しようとし、うさぎと衛を幽閉するが、戦士たちは再結集し、ミオと戦う──だいたいそういう話です。

 まあ、いまさら運命が覆ることはなく、うさぎと衛は結婚し、結婚式では、ブーケトスのブーケを、本稿で触れなかった元基(黄川田将也)が受け取り、かねてからいい雰囲気になっていたまことにプロポーズ、快諾を得る所で終わるのだが、通してみると、この結婚式は、戦士たちの青春の終わりを表わしているのではないか、と思うのは私だけではないだろう。

 『セーラームーン』は、あくまでも爽やかに、その幕を閉じた。


(この節、終わり)


【注】★有紗──現・ダーブロウ有紗。主にモデルとして活躍。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る