第二節の5 『セクシーボイス アンド ロボ』

●二節の5『セクシーボイス アンド ロボ』(〇七年四月~六月)


 伝説のドラマ『すいか』で一躍注目された、木皿泉の脚本によるドラマである。

 木皿泉は、何気ない平凡な日々が、ちょっとだけずれていき、ドラマになる――そういうタイプの作風だ。また、雑誌『シナリオ』で、「基本として当て書き*なので」、役者が決まっていないと書きづらい旨を吐露している。

 そんな人に、当時は若くてイメージのつかみにくい、大後寿々花(ニコ)と松山ケンイチ(ロボ)を主人公で、しかも一話完結の事件解決ものを書くのは、難しかったのかもしれない。……いや、いつかこの作品を、楽しく見られるときが来るかもしれない。なので、ふたりの活躍には触れないことにした。

 ただ、大変にユニークな結末で、納得もできるものであることは、書いておこう。後はTUTAYAへどうぞ。『すいか』と、本書で最後に紹介する『Q10』の架け橋となる部分は、ほのかに見えてくるので。


*当て書き――役者が決まっていて、それに合わせて書くこと。

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