【新稿】第一節の4 『禁じられたマリコ』(Ⅱ)

 今回も、あらすじ紹介になります。ご退屈な方も多数いらっしゃるでしょうが、こういう機会はめったにないので、記録として書いておきます。

 なお、このあらすじは、完璧な物ではありません。これでもずいぶん、省略してあるのです。その辺も含めて、ご迷惑でしょうが、よろしくお願いいたします。


『禁じられたマリコ』(つづき)


 たびたび起きるポルターガイスト現象に、光井は自分の恩師、末永教授(冨田浩太郎)の研究室に麻里子を連れて行く。超能力スキャン*で脳に異常が発見される。

 麻里子に光井を『盗られた』と感じた美也子は、学園*で、「この子は魔女よ!」と騒ぎ立て、更にボーイフレンドの山上孝之(中島陽典*)に麻里子をモノににしてしまうように頼む。山上は麻里子に迫るが服が炎上し、あわてて逃げていく。自分の体に痛みを感じる麻里子。そして研究室で、十四年前の高木が殺される映像を思い出す。「危ない、逃げてお父さん!」、麻里子の力が発動し、研究室は破壊される。

 光井は元太郎たちに、麻里子のヘレン・バクスター指数*が、常人の百に比べて百六十五ある、と告げる。これ以上力を使えば、人格破壊して死に至る、と。アメリカへ帰ることを光井は奨めるが、麻里子は高木の死の真相を明かしたいので、拒否する。

「みんないい人なんです、ノボル君もお兄ちゃんも。いい人置いて、自分だけ逃げちゃうの、ずるいですよ、やっぱり。私、そういう人をバカにします。自分で自分をバカにしたくないから」。

 そしてその夜、麻里子の部屋のぬいぐるみから、マイクロテープが見つかる。麻里子が聴くとふたりの男が話し合っているのがきこえ、ひとりの声は黒木だ、と悟るが、そのテープも前田の手に渡り、消されてしまった。

 蓮見は竜一たちに、黒木を調べろ、と命ずるが、逆に竜一が逮捕されてしまう。人格破壊を起こして倒れた麻里子は前田に拾われるが、その声はテープのもうひとりのようだ。

 元太郎は霊能力者、リンゼイ・アンダーソン博士を連れてくる。博士は麻里子のポルターガイスト現象は、霊の力によるものだ、と決めつけ、取っ手のついたガラスの水槽*の取っ手を麻里子につかませる。水槽に霊を移させ、博士の体に入れる、という作戦だ。しかしポルターガイスト現象が起こり、博士は吹っ飛ばされる。麻里子は人格破壊、部屋をめちゃくちゃにして、街へ出る。そのまま前田邸へ。「なぜ、なぜあなた方は人をいじめるの」、ぼうっとした声で繰り返しつつ美也子や山上を襲う麻里子は、弘子が来ると正気に戻り、夜の街へさまよい出る。一方、病院を抜け出した蓮見は、前田の部下に刺殺される。その死体を見た麻里子は、前田との対決を決意する。

 竜一はめぐみを誘拐。アジトでそれを見た麻里子は、ポルターガイスト現象を起こす。めぐみを連れて逃げるが失神、逆にめぐみに助けられる。

 夜のディスコで、竜一は美也子の手配した男たちに襲われるが、逆に美也子を誘拐、廃工場らしき所へ連れて行き、拘束する。アジトには、麻里子とノボルがいるところへ、黒木が現われ、誘拐について問うが、超能力に遭い、逃げ出す。倒れる麻里子。


(早見注……そのとき、人格破壊を起こした麻里子の顔がアップで出るが、これは表現上、危険な意味を持っている。ネタバレだが言ってしまうと、その顔は、物語のラストで、生まれ変わって現われた麻里子の顔にそっくりなのだ──。


 末永教授は、麻里子に電気ショック療法を施すが、意識が戻らない。あきらめたそのとき、設備の中にあったタイプライター*が、「I AM ALIVE.」(私は生きています)とひとりでに打ち出す。麻里子がメッセージを発しているのだ。そのまま麻里子は自宅へ戻るが、黒木が押しかける。美也子の居所をしつこく訊くが、意識のない麻里子が発したポルターガイスト現象に、退散する。同時に麻里子の意識が戻る。

 竜一は、前田と対決。高圧的な前田は、テレキネシスで竜一を襲う。隙を見て竜一は逃げ、美也子の許へ。美也子は前田の所業を知り、ふたりの間に、ある感情が生まれる。

 しかし黒木が来て、竜一とノボルを逮捕。竜一も光井も、マリコに事件から手を引け、と言う。元太郎が危ないのだ。けれど元太郎は、逆に前田に敵意を抱き、直談判に行く。前田の目を、自分に向けさせたい、つまり麻里子から目を離させたいのだ。とぼけまくる前田を、麻里子はアジトに呼び出す。後をつける美也子。

 麻里子、初めてポルターガイスト現象に、能動的に「お願い、出て」と心の中で叫ぶが、出ては来ない。前田が超能力を使って逃げようとすると、麻里子のポルターガイスト現象が出現、超能力戦になる。中へ入った美也子は、争いを止めさせる。

 翌朝、美也子は警察へ行き、自分の意志で竜一に付いて行ったと証言、竜一たちは釈放される。竜一の前に、弘子が現われる。「あなたは誰なの? あたしのこと知っているの?」


(この項、続く)

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