第11記:妖花
バルコニーの物干し台に脱水衣類を全て吊るした。戸締りをしてから、散策に出かけた。散策がしたくなるような天気だったからである。俺の住んでいるアパートは、住宅街の中にあるが、少し歩くと、別の住宅街が現われ、また少し歩くと、また現れる。
住宅街を歩いていると、街の各所に公園があることに気づく。遊具や砂場に加えて、何やら奇妙な物体が設置されていることがある。
その日(つまり、昨日)は「金のタヌキ」と「金のライオン」を発見した。美的な魅力はほとんど感じないが、独特の味がある。携帯電話のカメラ機能を起動させて、数枚撮った。待ち受け画面用として使うのだ。
帰宅後、熱いシャワーを浴びた。浴びてから、体を拭き、服を着た。居室に行き、愛機を起動させた。ぴよぶっくを呼び出し、編集作業を始めた。
ラジオの電源を入れた。アニアカは休校。ドリカム特集をやっていた。聴きながら、ダサクの続きを書いた。
シャットダウン確認後、酒の支度をした。ウイスキーの水割りを呑みながら『FMシアター』を聴いた。番組終了後、洗面所に行き、歯を磨いた。居室に戻り、円盤(DVD)再生機の電源を入れた。滑り込ませたままの状態なので、自動的に円盤の再生が始まる。
綾野剛、黒木華共演の『シャニダールの花』の続きを観た。カテゴリーの分類を拒むかのような不思議な映画だった。恐竜同様、俺たち人類も「花に滅ぼされる」そうである。どうやら、史上最強の生物は、花(植物)らしい。
翌日(つまり、今日)の朝。布団を出て、台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注いだ。沸き立ての湯で、抽出式のコーヒーを淹れた。
居室に戻り、愛機を起動させた。チェス3を呼び出し、レベル56と対戦した。数局指し、全部負けた。ダウン確認後、外出した。
貸し円盤屋『甲』に行き、借りていた3枚を返却した。それから、貸し円盤屋『乙』に行った。映画2枚と動画2枚、計4枚を借りた。その後、駅前広場に移動した。広場の近くにあるラーメン屋の暖簾をくぐった。先月下旬にオープンした店である。入るのは、今日が初めて。
店内は大層混雑していた。カウンター席の隅っこに座り、つけ麺を食べた。なかなか美味しかった。スープにコクがある。今度はラーメンを試してみよう。〔2月12日〕
♞『シャニダールの花』は題名自体に惹かれて、借りたような気がする。
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