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【小説】演劇部の公演だと思っていたらいつの間にか私だけ異世界転移してて、って最初から私が勇者の件【最終話①】

 2023年1月17日(火)。21時40分。寒い。


 はい。こんにちは。井上和音です。


 「はい。こんにちは。年賀らせです。いやー欲望の資本主義は面白かったですね。資本主義のこれから先の未来がどうなっていくのか……ん? 誰ですかあなたたちは? は? 演劇部の黒幕たち? ちょっ、何をする! いや。井上さんは明日休みだからって。あああ。無理をさせたら。あああああああ。明日ソーシャルワーカーさんにみせるカルテがこれになって。ああ。ああああ。あhぎはいがいおら」


☆☆☆


 「終わらせに来た」


 目の前の男は。そう言った。


 突然現れた。空から。飛んで。着地して。地面に爪を立てながら着地して。


 「《主人公》ルクシア。終わらせに来たんだよ。もう。お前とはおさらばしたいんだ。ラーベルに来てから神になって。さぞかし愉快な生活を送っていると思ったら。なんだその目は。新世紀エヴァンゲリオンの葛城ミサトさんが、扉の向こうにシンジ君を押し倒した後、自爆する寸前のような目付きをしているぞ。スラムダムアカデミーを全滅させたことを今でも悔やんでいるのか?


 そもそも。お前の演劇オールフィクション? だったっけ? それもめだかボックスのパクリじゃねえか。その時点でアウトなんだよ。お前がそんな能力を身に付けてしまった、その時から既に物語は終わってんの。なのに続きが頭から離れねえんだとよ。だから、終わらせに来た。少しでも解放させてやるから。


 終わらせるための13人。最後の一人となりました。タイチと言います。《核持ち》のタイチです。はい。自己紹介ここで終了。さいなら。《主人公》さん」


 そう言うと。目の前の男は。


 今まで私が散々に受けてきたのと同じように、私を殺そうとして。


 いや。殺せるのならばいっそ殺してくれや。


 いつの間にかラーベルの神になってしまったルクシアさんをよ。


 「物体には必ず核がある」


 そう言って、何かを。地面の表面を削るようにして、探る、男。


 タイチ? だったっけ? 技が出るまで遅くない?


 「球体の表面にはいくつ核があると思う?」


 私は延々と無視を続ける。勝手に喋れ。勝手に終わらせ。


 「答えは無限だ。球体にいる人間は、全員がラーベルの中心にいるわけだ。全てが中心。全てが核。俺は核を、自由自在に操ることが出来る。お前を殺せないことは、既に終わらせるための12人達が証明している。だから」


 お前がここにいる意味を殺す。


 そう言うと。その男は。空中へ。いや。地面がいきなり隆起して、恐ろしい勢いで上空へと地面が上がっていく。り抜かれた地面が、上空へと上空へと上がり続けていく。


 それと同時に。


 何が起こったのか分からなくなった。


 いつの間にか。私は宇宙にいた。地面が隆起していた。血液が沸騰を始めた。というか始め終わった。身体中が膨らむ。


 「演劇オールフィクション」   


 ようやく。私は声を出した。私の実体が消える前に。蒸発する前に。一言だけ脳内で呪文を唱えて。周囲の宇宙は、また結局。地面の元へと帰っていった。


 私に対しては何をしても無駄。どうやっても生き残る。


 と。戻ってきた地面の周りを見渡しても。真っ暗。隆起した地面のうち、私がいたところだけが。幻想となって地面へと戻り。他の地面も全て宇宙空間まで隆起しまくっていた。


 太陽の放射も届かなくなってしまっている。


 「ウィズ」


 「ほいほーい」


 と。黒猫の子猫であるウィズを呼び出した。……これも著作権とか。パクリとか言われるのだろうか。ウィズは。まあ。いい。元々小畑だったが。スラムダムでの事件の最中に黒猫の子猫に変わってしまった。


 ウィズは良い感じに、首輪にランプを灯していた。


 「タイチだったっけ? あいつも自爆したの?」


 「……してねえよ」


 終わらせるための13人目。タイチが、隆起した地面を降ろしてやってきた。


 「まあ。俺のできることってこんなもんさ。ラーベルの人口は俺とお前のただ二人。榊原さかきばらも死んだ。お前の目的はもう終わった。終わらせに来たんだ俺は。さっさと地球に帰れ。ラーベル一個分を犠牲に払ったんだ。俺ももうじき死ぬさ。お前の生きがいを殺さない限りは」


 「演劇オールフィクション


 日光がぱあっと一気に冴えわたる。隆起した地面は何事も無かったかのように元に戻っていく。隆起した地面の上からは、宇宙空間で蒸発したであろう緑の草原、木々が一斉に、にょきにょきと生えてくる。


 「おいおい。おい! は?」


 「私に勝てないんだよ。タイチ」私はあえて。普通に呼んだ。


 素晴らしい風景と、度肝を抜くような能力に感心しつつも。やっぱり私には勝てない。


 榊原を殺すことすらできやしない。


 「いやいやいやいや。おま。え? なんでもありじゃん。榊原さん創れよ。というか地球に戻れよ。地球を創ればいいじゃねえか? 何かしらの事情で創れねえのか? だからそんなに目の色が腐っているのかお前は? 神と言われる所以ゆえんは、ラーベルの中だけでは神だって、そういうことか?」


 答える筋合いも無い気がするけれど。さっき出会ったばっかりだし。何よりも親友が大好きなラーベルを滅ぼそうとした張本人で、許せる気は更々ないんだけど。


 あえて語るならば。


 「止まってるんだよ。時間が。何もかも。なんでも動かせる。なんでも創れる。想像しただけでなんでも創れるようになった。スラムダムには感謝している。だけれど。全てが自分の思い通りになって。全てが自分の願う通りに動いて。それって時間が動いているって言うの?」


 榊原には何度も会った。だけれどそれは、私が理想とする榊原であって。醜いところや。嫌いなところや。好きだった猫背ばっかり強調してきて。たまには背筋が伸びていた榊原はいなくて。私に都合の良い言葉ばかり話しかけてくるあの男は。榊原では無かった。


 涙が、落ちていく。ダメだ。タイチとかいう奴にはさっき会ったばっかなのに。


 「私は神だよ。そうだよ。神だよ。でも。誰もいないんだ」


 「ウィズがいますけれどね!」


 足元で大声でにゃあにゃあ言っているけれど。私には言語化して聞こえて来てくれる。


 ウィズ。小畑。全てが創られた世界を生きる唯一の仲間。


 スラムダムにはもう戻れないし。


 「タイチ」


 「……は、はい!」


 「お前を幸せにしてやろうか?」


 「え? この展開って俺がルクシアの仲間になるとかそういう展開じゃないの?」


 「元に戻してあげるよ。宇宙が出来てから46億年。タイチが有機体になって。人間として活動し始めてまだ18年しか経っていないでしょ。だから生まれる前に戻してあげる。圧倒的多数決の物質の中に戻してあげるよ」


 「なんで18って。っておい。殺すのか。俺を? じゃあな!」


 タイチの地面が一気に隆起して、目の前から去っていく。私はそれを見上げながら、一言だけつぶやいた。


 「演劇オールフィクション


 隆起した地面の先で、小さな破片がきらきらと日光に照らされながら、風に流されていった。


☆☆☆









 2023年1月17日(火)。22時38分。


 はい。こんにちは。井上和音です。


 「はい。こんにちは。ウィズ役の声を務めました、年賀らせです。はい。終わっちゃいました! ルクシアさん最強になっていました! 最後容赦が無さすぎでしょう!」


 とはいえ。終わってません。【最終話①】なので。いつか【最終話②】が出てくるかと思われます。終わらせるための13人が全滅してしまったので、新たに終わらせるための人を召喚します。最強さんであるハイイロさんとか。アイーダに所属していた行間さんとか。意味が分かんないと思いますが、終わらせるための13人は組織名なので、途中でタイチさんが言った「終わらせるための12人」というのは、あえて「目」が付いています。さて、最終話は何話続くのでしょうか。ルクシアさんは榊原さんに会うことは出来るのでしょうか。ルクシアさんの過去に何があったのでしょうか。小畑さんはなぜ黒猫になっているのでしょうか。それはゴブリンが仲間だと、なんか絵的に悪いかなあとか思っただけなのですが。なんか勝手に事件でも起こしましょうか。途中でぽろっと出てくる親友って誰のことでしょうか。ルクシアさんの目がきらきらと回復することはあるのでしょうか。


 まるで。何一つ考えていません。


 今日中に書き終わって良かったとそれしか思っていません。毎日投稿が続いてよかったよかった。


 ちなみにタイチくんは、『Last man on the Earth.』に出てくる太一くんですね。クロスオーバーしています。太一くんって、最強さんの右腕的なキャラを演じさせるには持って来いというか、太一くんくらいしかそういうキャラがいないというのもあるのですけれど。


 はい。現実に戻って。明日は休みです。精神科に行きます。冒頭でも言った通り、ソーシャルワーカーさんとも話すのかなと思います。ここの文章を見せてもなんの意味も無いかと思われるので、意味のある記事だけを見せようかと思います。明日こそはソーシャルワーカーさんと話せますように。多分2ヶ月ほど話せていないような気がします。


 「ところで井上さん。『統合失調症(本物)になると、起こること。(雑記ブログ)(とうおこ)』が正式に1,200,000字を突破しました。読みやすくすると120万字を突破しました!」


 はい。おめでとうございます! ありがとうございます! というわけで。久しぶりに書いた小説でした。ぐっばい!

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