【☆】世界と私とは繋がっていません

 2023年1月10日(火)。21時25分。仕事の日。


 「こんにちは。年賀いやがらせです。ああ、とーこさん。いいところに。井上さんがツイッターで」


 とーこさんを出すのはやめておきましょうか。


 はい。こんにちは。井上和音です。


 どうでしょうね。500万円貯まるのですかね。どうでもいいのかもしれませんが。


 別に言及する必要性も感じなくなってきましたが。


 話を膨らましても面白くもなんともないですし。


 「ところで。井上さん。口座の数は一体いくつ持っているのでしょうか」


 秘密事項です。どうでもいいので。500万円貯まったことを達成できればそれでいいので。


 6月までには。なんとか。鍵はパートタイマーがちゃんと更新されるか否か。これはとても大きい。働くのはきついかもしれないけれど。確実に。着実に。お金をコツコツ。


 とはいえ。


 いや。やっぱり働くのはきついね。けれど、これ以上続けられそうな仕事も無いし。


 仕事についても書くのはダメだし。貯金についても書くのはダメというか。どうでもいいというか。衝動的に載せたものを、いつまでも自慢みたいに引っ張り続けるのは格好悪いし。


 格好良い、格好悪いの話ではないような気がするけれど。


 昼休みにツイッターを見ていたら「夫婦で貯金額400万円。夫は月のお小遣い1万円。妻(専業主婦)のお小遣いは自分の貯金から捻出しています」みたいなツイートが流れてきて。「貯金額そんなもんなんだ」と思ったのと同時に「専業主婦って一体何なんだ」みたいな気持ちになったのと同時に、「この貯金額は夫の口座なのか? それとも夫婦同時に使っていい貯金額なのか。結婚とかの常識を知らないから分からないや」みたいな気持ちにもなりました。結婚しても個人の貯金口座と、夫婦二人で管理している貯金口座って三つ以上あるってことなのかな。


 友達いないし、親とも特に話さないし、よく分かんないや。


 でも。多分。一口座の貯金額をツイートするのは良くないことなのだと思います。幻聴が鳴りやまないですから。明日も仕事だし。明後日も仕事。三日後も仕事。


 ちなみに。あのツイートの額はパート代を記帳していないために、もうちょい額は増えます。次にツイートするときは500万円を超えたときです。パートをクビになるとか、緊急でお金が必要になったときとか。あと、魅力的なポケモンカードの誘惑に負けたときか。それくらいしか出費は無いはずです。


 キーボードを叩くたびに「やめろやめろ」とめっちゃ聞こえてきますね。そうですね。微妙な額ですからね。「微妙かどうかはどう捉えられるかは分からないけれど、とにかくやめろ」という意味っぽい言葉が幻聴でガンガンと聞こえてきます。


 「はい。話を変えましょう。井上さん」


 「かかっ! 昨日のPV数は969PVもあって明日が楽しみと言っておったが、今日、2023年1月10日のPV数は78PVじゃ。うぬは人気者でもなんでもなかったの。かかっ。ふるいにかけられあっさり落とされたのじゃ。かかっかかかっ。おもろいのお」


 はい。昨日969PVあって、今までのPV数の推移がどんぐりの背比べくらいに、ほぼ変わりが無くなってしまったのですが。今日のPV数は78PVでした。残念ながら人気者にもなれず。☆☆☆も一個も付きませんでした。かかっ。一喜一憂してしまう自分も面白いですね。世の中何が起こるか分かりませんね。面白いですね。本当に。


 職場では。幻聴がするということで。うう。


 言いません。


 何を書いても変わらないと思う心は、とても大事なのかもしれません。それぐらい人生を捨て去ることが出来るほどのメンタルを持てていた時期は、とても貴重だったのかもしれません。


 何を書いたかも次の日には忘れるものなのですが。


 「中身が無いよ。井上さん!」みたいな記事になっていますが。なんの話をしましょうか。


 そうですね。職場の人が「幻聴がする」と言って急遽きゅうきょ休みを取られた話でもしましょうか。


 はい。これは私が統合失調症になった当時のこと。


 京都にいた友人が、私が統合失調症になった次の月に、なんと、京都でたった一人の友人だった彼も統合失調症になり、閉鎖病棟に入れられていたのですね。


 私は京都大学病院西病棟だったのですが、友人は京都府立医科大学に入院していたらしいです。


 私は完全なる統合失調症で、幻聴は聞こえるし、世の中は全て暗号に見えるしで、私の統合失調症は、警察に連れられて、閉鎖病棟まで連れて行かれました。


 一方の友人は、アルバイト中に急に倒れて意識を失ったそうです。最初は神経科に連れて行かれたらしいのですが、原因不明ということで統合失調症との診断が付き3ヶ月も閉鎖病棟にいたらしいです。


 その続きは言いませんが、何が言いたいかというと「統合失調症は伝染するのではないか」という体験を、今日、職員さんがそうなったことを踏まえて、二度目の経験をしてしまったのですね。


 職員さんが統合失調症の発症かはかなり微妙というか。どちらかというと耳鳴りの可能性が高いですが。耳鳴りもかなり厄介です。


 しかし。まあ。はい。こんにちは。ナルシスト井上さん。という感じの気持ちが悪い話になってしまいますが、私と関わった人間は、何かしらの病気を持ってしまう運命にあるのではないか。私と関わった人間は、何かしらの不幸を抱えてしまうのではないか。と、また自分中心に考えてしまうクセが出てしまいました。


 だって、私と深く関わっていた友人は統合失調症になり。


 私と深く関わっていた職員さんの……。


 私と深く関わってきた職員さんの……。


 私と深く関わっていた職員さんは耳鳴りになってしまい。


 深くは何も言えませんが、なぜか関わると不幸になるのではないかという。西尾維新先生が描くいーちゃんみたいな、超自分中心的な考え方をしては気持ち悪いナルシストでしかないのですが。全ては偶然であり、私とはなんの関係もないこと。因果関係など何もないことは承知の上なのですが。


 私と関わってきた方に不幸が訪れると、私が関わってきたせいではないかと。思いません。思わないようにしています。自分は小説の主人公ではありません。


 現実です。全ては偶然です。何も関係ありません。


 そうやって不幸振るつもりも、自分を特別視するつもりも、何もありません。正気を保ちましょう。


 ただ、高校生の時に、学長をしていたときに担任の先生の夫が突然くも膜下出血で亡くなってしまったり。日本史の添削をお願いしていた先生が突然自殺をして亡くなったり。統合失調症になる前から、まあ、こういうことはあってきたので。統合失調症が原因で、自分と関わってしまった人はみんな不幸になる、とか妄想してしまうことは、統合失調症が原因ではありません。


 誰が、誰と関わろうと、誰かには突然不幸は降りかかってくるものでしょう。というのはキルケゴールが遺した、最も破ることのできない哲学的に絶対視される主張だとは思いますが、主観性だけを意識し始めたら、この世の流れ全てに自分が関わっているのではないかという錯覚に負けてしまいます。ニュースに出てくる悲惨な出来事や、その日の株価まで自分の行動と結び付けて考えてしまう──株価までいくと確実に異常で、確実に統合失調症の診断が付くと思いますが──その全てが自分と関わっている。この世界と自分とは繋がっていて、自分だけがこの世界のキーマンなんだ、みたいな思考になってしまったら、統合失調症の診断が付いている私がそういう思考を始めてしまったら、もう一度閉鎖病棟に戻ることになるかと思います。


 自分が主人公ではない。統合失調症になったら、なってしまったら、この世と自分とはなんの関係も無い、ということを頭に入れて常に淡々と行動していかなければいけません。


 明日も淡々と仕事に行きましょう。世界と私とは繋がっていません。



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