【ウクライナ情勢:考察】国連緊急会合で、マウリポリ小児科医院についての言及で不可解だったロシア・ウクライナ双方の主張。

 2022年3月10日。国連緊急会合で、ポリャンスキー国連次席大使はマウリポリ小児科医院を爆撃したのは偽ニュースだと発表した。


 その際に、証拠としてあげたのが、一枚の妊婦の写真だった。「この妊婦はキエフで活動しているブロガーが変装をして、廃墟のなかを担ぎ込まれているかのように報道した、ウクライナのプロパガンダに過ぎない」と発表した。


 ロシアは毎度のように嘘をついていた、と国際世論も、各国の国連大使官も思っていたので、「またとんでもない嘘か。どうやったらそんな嘘を堂々と告げることが出来るのだろうか」といった雰囲気に包まれていた。私も「何を言っているんだロシア大使は……」と思いながらニュースを見ていた。


 そして、そのロシアの大使の嘘を、明確に否定するように、ウクライナの大使(名前を調べたが出てこなかった。申し訳ない)が、「この女性は実在している。名前は○○(忘れてしまった。申し訳ない)さんと言う。あの爆撃の後、出産をして元気な赤ちゃんを産んだ」と発表した。


 お気づきになられただろうか。江戸川コナンよろしく「妙だな……」と思った瞬間である。


 ロシアがでっちあげの証拠を創るために写真を用いたのはわかった。しかし、なぜウクライナの大使は使 という点だ。NHKnews7で短く編集されたのはわかるが、ロシアの嘘情報に呼応する形で、ウクライナ側も情報を提供したのである。


 考えたくはないが、ウクライナ側は、国連の緊急会合でロシア側がマウリポリ小児科医院を破壊したのは嘘だとするプロパガンダを、発表するのを事前から知っていたのだ。緊急会談の前から、ロシア側と何か呼応を合わせるようなことがあったのではないか。敵同士に見せながらも、ロシア側との何か協力関係があったのではないか? 考えたくない。ウクライナはロシア側から一方的な侵略戦争を受けている最中の出来事なのだ。お互いに情報を漏らすことなどまずありえないことだろう。しかし、あの緊急会合はなんだったのか。考えたくはないがという憶測が流れる。もし、ウクライナ側とロシア側で、秘密の協定などが結ばれていたら、この侵略戦争の地盤そのものが崩れる。全てが茶番だったということになる。そんなことはない。ウクライナからの難民だって200万人を超えている世界的大惨事なのである。


 そんなことはない、と願いたいが、ウクライナとロシアが既に結託している、なんてことはあってほしくない。どれほどの人に迷惑を被った侵略戦争になったかは、事実が証明しているのだから。

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