【会話劇】勝手にpvが増えていく『柱』が欲しいという物語。

 タイトルを『お風呂場で聞いた話。』にするか、『ボランティアのブログを続けるのは2日が限界だった。』のどちらかにしようと思っています。


☆☆☆


 「よう。和音。お前は今 寸託せずに言ってみな。あれ? 漢字あってるっけ? まあいいや。言ってごらん」


 「柱が欲しい」


 「? 頭おかしくなったか」


 「柱っていうのは、何故か知らないけど、pv数が延々と伸び続けている話をさす。『コンサータを健常者は絶対に飲むな』(https://kakuyomu.jp/works/16816452221466841294/episodes/16816927859269654102)文字数たったの318文字。なのにpv数は1859。何もしていないのに勝手にどんどん伸びていく。一日100くらい伸びる。グーグルアナリティクスを開いて友達に電話で聞きながら、足跡を辿っていくとなんと全てがツイッター。僕のツイッターにはなんの通知も来ないから、誰かが読んで、ツイッターで広める。誰かが読んで、ツイッターで広める。が連続しているとしか考えられない。神に誓っていいけど友達に読んでほしい……は他の話で言ったかもしれないけれど、F5アタックしてほしいとかは何も言っていない。pv数表示がこれだけ極端に伸びてるから、勝手に見た目的に柱──ブログを支えている意味も含めて──と呼んでいる。その柱が、もう何本か欲しい。でもね。新しい話を創ってもなかなか伸びてくれないんだよね。心が沈んでしまうよね。スマホで打った、たったの318文字に負けるのかって」


「お前は有名になりたいのか」

「お前はお金が欲しいのか」

「お前が掲げる、統合失調症患者になったら起こることを、多くの人に理解してもらいたいという願望は、すごくぼんやりしているぞ。世界中の人が理解したとして、それがお前に伝わるのか? 国の障害者に関する法律でも変えたいのか? 『精神障害者保健福祉手帳を所持している者が精神科に通院する場合には、特別休暇を与えることを事業主に課す』とかそんなのだったっけ」


「変わるきっかけになりたい。変えるきっかけになりたい」


「お前、そんなのどうでもいいからさ。一つだけ誤解が無いように言っといてやる。お前は天才なんだよ。wiseテスト受けて証明されたじゃねえか。言語理解129の数値出たじゃねえか。ツイッターにいた東大生に言語理解だけは勝ってたじゃねえか。記憶分野ではボロ負けだったけど。80あったっけな? それでもコンサータ飲んで少しはマシになったんじゃねえの。統合失調症になった悲運の天才だが。その天才がブログ創ってんだ。それも文字だけの。言語理解129が書く文章を他の奴らは広告も無しに無料で読めてんだぜ。金が無くとも時間を注ぐ、これこそノブリス・オブリージュってか」

「だから」

「書け。そして読め。ついに自分の金で本を買えるようになったじゃねえか。現代哲学のキーコンセプトなんて、買いたくても買えないやつはいっぱいいるし、読みたくても読めないやつはいっぱいいる。言っとくがお前はこれからパートで結構稼ぐぞ。そして野暮ったいものぐさだから、お金を使うことがない。読め。書け。それだけが使その方向からずれようとしたから、神から天罰が下って統合失調症になったんだ。お前はまだ若い。だから一生治らない道を神から授かったんだよ」


「柱が欲しいなあ」


「いつかできるんじゃねえの? だからブログも玉石混合入り混じった、うどん屋タイプじゃなくてバイキング形式にしたんだろ? 俺には全部お見通しだぜ」


 友達から聞いた話だ。

 『統合失調症のことを書いているのになんで戦争について書いてるんですか? うどん屋いってカレーが出てきたら不満に思うでしょ。ブログは分野特化型がいいんですよ』

 だが僕は逆の道を行くことにした。言うならバイキング形式だ。一つの分野だけではなく、多くの分野に手を染めてみる。それが無学で初心者だったとしても。自分の知っていることだけで勝負する。自分が勉強しただけのことで勝負する。自分の感じたことだけで勝負する。というか書く。そして2本目の柱を目指す。


 「柱が欲しい」

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