『ルックバック』作:藤本タツキ先生を読んでの感想(自分もああなるんじゃないかという結論と京アニ放火事件に対する俗説への怒り)

 タイトルに中身を書いたので、結論。


 殺人者役で出てくるおじさん。あれは、どう見ても統合失調症で、さらに言えば統合失調症の上に、人生が上手くいかなくなった人の最終形態です。


 ルックバックという漫画の感想で、「統合失調症患者への偏見を強める良くない表現であるから良くない」という統合失調症(本物?)の方の意見。


 それに反抗するかのように「作品の中では統合失調症という病名の、と、の字も出てきませんよ。貴方の意見は的を得ていませんよ」という健常者(かな?)の方の反対意見。


 結論。ルックバックに出てくるおじさんは統合失調症です。


 それで、本当に統合失調症になってしまった人はこう思うのではないのかと思います。

「自分もこうならないように気を付けよう」


 僕の場合はこうでした。


 また、ルックバックは京アニ放火事件を彷彿とさせますが、京アニ放火事件では「自分の小説が盗まれた」との供述があります。


 京アニは実際に、放火事件の前から『京都アニメーション小説大賞』なる賞を実施していました。


 なので、空想ですが、


『京都アニメーション小説大賞』に応募し落選

 →京アニが創ったアニメで、京アニ放火事件を起こした犯人が書いた、小説の内容と瓜二つな表現が出てきた

 →経済的に追い詰められた犯人は京アニに恨みを持ち犯行に及んだ』


 という流れだったのではないか、と思います。


 京アニ放火事件は、犯人が統合失調症とは報道されていません。精神障害者保健福祉手帳を持っていたという報道はありません。俗説が異常なことをした人を統合失調症扱いにしただけのことだと思います(俗説では犯人は統合失調症だった、との噂も流れてきました)。


 話が逸れてきたのでまとめます。


 ルックバックに関しては、「自分もこうならないように気を付けよう」

 京アニ放火事件では、「作家志望の人はみんな気を付けよう。経済的な支えを、作家活動以外に見つけよう。内容をパクられても、自分が評価されなくても何も思わないようにしよう」です。


 京アニ放火事件は、統合失調症ではなく万人が陥りやすい動機です。統合失調症だろうが健常者だろうが関係なく、犯行に及ぶ動機は創られます。それを俗世が『悪いことしたやつは全員統合失調症』とするのは、統合失調症(本物)として、正直腹が立ちます。統合失調症(本物)はそんな生半可な病気じゃないし、一度犯罪を犯した人間を統合失調症の領域に入れるのは、本当に統合失調症になってしまった人たちに失礼無礼な行動だと思います。


 偽者の統合失調症が生れる原因がある限り、僕は腹を立てます。『悪いことをしたやつ=統合失調症』の方程式が組まれている限り、偽者の統合失調症患者が増え、本物の統合失調症患者を救う社会が遠くなってしまうと考えています。

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