第10頁「カニーナとシスター」

一通り遊び終わったので、友達と別れてから早速お母さんとお父さんに事情を説明するため家に帰りました。

「ただいま!」

「お邪魔します!」

「おかえりー・・・って、お友達連れてきたの?」

「それでは紹介するね!カ・・・」

「あら!カニーナちゃん!」

「そうそうカニーナ!帰りにばったり会って・・・って、あたしが言おうとしてたのにー!」

「ごめんごめん!でも、急でびっくりした!何かあったの?」

「それが、ジェットが壊れてしまって・・・。」

「そうなの。ならここに住めばいいんじゃない?お迎えとかが来たら帰らないと行けないけど・・・。」

「その交渉をしに来たの!お母さん!」

「もちろん!大歓迎よ!」

「ありがとうございます!」

「やったー!」

すると、2階から弟が降りてきました。

「おねーちゃん、うるさい!」

「ごめん!」

「弟さん?よろしくね!」

「よ、よ、よろしくお願いします!」

「どうしたの?おさむ。カニーナに話しかけられて照れてるの?」

「ち、違うよ!とにかくおねーちゃんは静かにして!」

「はーい。」

ひとまずあたしの部屋に行くことにしました。

「どうやって言葉を覚えたの?」

「話せば長くなるよ・・・。」

「・・・うん・・・。」

「実は、れいなと別れたあと、ジェットで故郷まで帰ろうとしたんだけど途中で故障して落ちたんだ。」

「それで?」

「ひとまず野宿しようとして、火を起こしたり色々してから寝てたら、森の変な生き物に襲われて意識を失ったんだ。」

「えーっ!大丈夫なの?」

「うん、気がついたら病院って所にいてそこまで運んでくれた男の人2人に教えて貰ったり、看護師さんに教えて貰ったりしたんだ!」

「そうだったんだー。ところで今は怪我は大丈夫なの?」

「うん!バッチリ!」

「良かった・・・!」


ふと、れいなの顔を見ると涙が頬を伝っていた。少し申し訳なさも感じながら、改めてれいなに会えた事を嬉しく思った。

「そうだ!この前カニーナが言ってた家族の事をもう一度聞いていい?」

「うん、あれ・・・?何故だろう・・・。大切な家族のはずなのに名前が思い出せない・・・!?」

悔しすぎて涙が止まらない。

「無理しないで・・・。きっと、色んな事があってショックで忘れちゃったんだよ・・・。少しづつ、思い出そう・・・ね?」

「ウッ・・・うん・・・。」

必ず思い出す。そう私は心に誓った。

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