第9頁「ミセス・レイナ」

「初めて見た・・・重力無視してるじゃん・・・。」

衝撃が走りました。そのままドッヂボールはあたしの手の上へ乗りました。するとどこからともなく声がしました。

「れいなさん・・・れいなさん・・・。」

「え!?どこから聞こえるの!?」

するとあたしの肩を誰かがポンと叩きました。

「バァ!びっくりした?れいなさん。」

なんと、そこにはどこから現れたのか、カニーナが立っていました。

「カ、カニーナちゃん!?てか、言葉めっちゃ上手くなってるー!」

「ヘヘン!頑張って練習したんだー!」

「すごーい!」

「私、れいなさんにまた会える気がしてたんだ!」

「あたしも!カニーナちゃんに会える気がしてた!」

「友達にならない?カニーナちゃん!」

「えっ、いいの!なろうよ!友達!」

「よし!ならこれからカニーナちゃんとあたしは友達だね!そうと決まればお互い『さん』とか『ちゃん』とか堅苦しいのはやめて、『カニーナ』って呼んでもいい?」

「うん!じゃあ私は『れいな』って呼んでもいい?」

「うん!いいよ!」

「実はね・・・れいな・・・。」

「どうしたの?」

「私、帰れなくなっちゃった・・・。」

「・・・じゃあ、あたしも手伝うよ!カニーナが元の所へ帰られるように!」

「ありがとう・・・!れいな・・・!」


こうして、私が故郷へ帰られるまでの間、れいなの家に住まわせて貰うことにした。

「れいなー!ボールまだ?」

「あ!ちょっとまってー!」

「れいな、隣にいる女の子ってもしかして・・・!」

「そう!前に話した女の子!やっと友達になれたんだ!」

「初めまして、カニーナって言います!」

「よろしく!カニーナちゃん!」

「よろしくお願いします!」


こうして、あたしはカニーナと再び出会えました。

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