第8頁「再会出来た時には」

「おかあさん、行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい!」

カニーナと別れてから1ヶ月、あたしの日常に特に変化はありませんでした。

「おはよう!れいな。」

「おはよう!楓香ふうか。」

チャイムが鳴り、授業が始まりました。

「では、今日は教科書の180ページを開いて下さい。」

しばらくして、全ての授業が終わり、終礼が始まりました。

「明日の持ち物は、保護者宛の手紙を保護者の方に書いてもらって、提出してください。それではまた明日、お会いしましょう。さようなら!」

「さようなら!」

その帰り、あたしはある事を考えていました。

「じゃあ、れいな、私塾だからまた明日ね!」

「うん!また明日!」

(もし、カニーナちゃんに会えたら、その時なんて言えば良いだろう?)

「おかあさん、ただいま!」

「れいな、おかえり!」

「見て!今日、小テストで満点取ったんだー!」

「すごいじゃない!その調子で頑張って!」

その夜あたしはワクワクしていました。

「近いうちにカニーナに会えそうな気がする!もしかするともしかするかも!」

この希望がどこから来るのかは分かりませんが、何故かカニーナにまた会って今度こそ友達になれる気がしました。

次の日は午前中授業で、帰りに友達たちと近くの公園でドッヂボールで遊んでいました。相手チームから投げられたボールが深い森の方まで行きました。

「あちゃー!向こうへ入っちゃった。」

「あたしが取ってくるよ!」

「ごめん!れいな!」

あたしはどんぐり山の手前の小さな森へボールを取りに行きました。

「確かこの辺のはず・・・。」

しかしボールは見つかりません。

「見当たらないなー。」

すると、目の前からドッヂボールが宙を浮いてあたしの方へやって来たのです。

「ボールが・・・浮いてる!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る