第7頁「独り身の始まり(嘘(じゃない))」

「おーい!女の子がたおれているぞー!」

「本当か!?」

「とりあえず救急車!」

「おうよ!」

意識がもうろうとしている中で、2人の男の人の声が聞こえる。私はよく分からないまま、少しづつ手を伸ばした。

「お!動いたぞ!」

「本当だ!」

しかし、まだ完全に復活しておらず、また私は気を失ってしまった。

「おい!大丈夫か!?」

「大丈夫かい?」

再び目を覚ました時には、私は白いベッドで寝ていた。部屋はシンプルで、ハーデンべルギアの花が飾られていて、白いカーテンが揺らめいていた。窓の外を見ると、すっかり明るかった。

「お目覚めですか?体調は大丈夫でしょうか?」

綺麗な服を着た女の人がいる。

「ケッ・・・ケオ・・・ウッ!」

まだ全身が痛い。

「安静にしていてください!まだ回復したわけではありませんから!」

この一瞬でも、かなり息が上がってしまった。

「お!お嬢ちゃん目が覚めたかい!」

「心配してたんだよ。」

「ソッ・・・リソ・・・ウッ・・・。」

「お嬢ちゃん、大丈夫か!?」

「さっき、勢いよく起き上がろうとしたんです・・・。」

また、気を失ってしまった。

「それにしても、この子の格好って変わってるよなー。」

「そうだよな。髪の毛は朱色だし、頭にカニみたいなハサミが着いてるし。」

「それに服も硬そうだし、関節部分だけ曲がるようだ。」

「胸によく分からないメーターも付いてるし、コンセントの穴もある。」

「極めつけはこのジェットエンジンだよ!なんで普通の服に着いてるんだ!?」

「もしかしたら宇宙人なのかもしれないな。」

「そんな馬鹿なー!」

「でも、すごい怪我だよな。」

「まぁ、何しろあの森は危険だしな。」

「本当にこの子はどこから来たんだろう。」

完全に体は回復していないし、ジェットは壊れたし、私が故郷に帰れるのはまだまだ先かもしれない。

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