第4頁「告別」
「ニニチカンアリガトウゴザマシタ。」
「え・・・。もう帰っちゃうの・・・。」
「アマリナガイハデキナシ、ソレニ、レイナニオシエテモラッタコノコトバガアレバ、ヤテケルキガスルヨ!」
私がこう切り出したのは、今私がいる時間から、何時間も経った後だった。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇回想❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
「おはよぉー!カニーナちゃん!」
「オハヨォ・・・。」
(ずっと泊めてもらう訳にもいかないし、しっかり伝えて早く帰らないと・・・。)
「どうしたの?カニーナ。元気無いよ?」
「ウウン、ナンデモ!」
「ならいいんだけど・・・。」
(今日のカニーナちゃん、何か様子が変だなぁ。)
「れいなー、来週から学校でしょう!宿題は終わったの?」
「はーい、お母さん。今からするからー。」
「ガンバッテ!」
(私も学校に行きたいなー!)
「カニーナちゃんは、わたしを手伝ってくれるかな?」
「ウン!」
「カニーナちゃんは、どこから来たの?」
「・・・。」
「そっか、まぁでもまた遊びに来てね!」
「・・・!」
「帰らないといけないんでしょ?さっきの様子を見てわかった・・・。」
「・・・。」
「大丈夫!元気だして!会いたくなったらまたここに来ればいいのよ!れいなも来てくれたら嬉しいと思うし!」
「ウン!」
「でも、ここに住むのも私はアリだと思うけどね・・・。」
(お母さんの言葉は嬉しいけど、帰る方法を考えないといけないし、それよりもれいな達に迷惑をかけるからなぁ・・・。)
「手伝ってくれてありがとう!じぁ、お茶にしようか!」
「ウン!」
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
その晩、私はれいなに打ち明けた。
「レイナチャン・・・。」
「どうしたの?」
「ニニチカンアリガトウゴザマシタ。」
「え・・・。もう帰っちゃうの・・・。」
「アマリナガイハデキナシ、ソレニ、レイナニオシエテモラッタコノコノバガアレバ、ヤテケルキガスルヨ!」
「そんなの・・・やだよ・・・!」
「ゴメンナサイ・・・。サヨウナラ。」
「オトウサンオカアサンモアリガトウゴザマシタ。」
「気をつけてね!」
「頑張ってね!」
「お父さん!お母さん!なんで・・・!」
「レイナチャン!マタアエルヨ!ジャーネ!」
「カニーナちゃん・・・!」
私はれいなの家を出た。悲しみと不安に押し潰されそうになりながら、かなり遠くまで走った。でも、自分のケジメは自分でつけないと・・・。
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