第13話サディスティック・デンジャラスボーイ【ショートショート】

私はナナシ、今回は私が遭遇した、身の毛もよだつ恐ろしい少年の話をいたします。




ある平日、私が町を徘徊していると、ある少年に遭遇しました。


その少年は小学校高学年くらいの見た目をしていました。


何より驚いたのは、平日の昼頃だというのに学校にも行かず、フラフラを歩いているのです。


私服とリュックという姿から、家出少年かもしれないと思い、心配する気持ちから少年を尾行することにしました。


程なくして、その少年は鬱蒼と生い茂る草むらに入っていきました。


私は嫌な不安がしましたが、草むらをかき分け少年を追いかけました。


少年の頭が見え、やっと追いついたと思った瞬間、少年は肥満気味な中年の男性に絡まれているのが確認できました。


私は只事ではないと思い、少年を助けようと近づこうとしました。


しかし、どうも絡まれているのですが、様子がおかしいのです。


よく観察してみると、少年の横には見慣れない黄色い小動物がいました。


その動物はギザギザな特徴的な尻尾をしており、全体的に可愛らしい雰囲気がありました。


少年がなぜ、そのような珍しい動物と居るのかと、私は色々と思考を働かせていましたが、答えはみつかりませんでした。


その時、中年男性は赤と白の配色をしたボール状の何かを、地面に投げたのです。


すると、信じがたい光景が私の目の前で起きました。


なんと、小さなボールの中から、光とともに巨大な生物が現れたのです。


その生物は鯉の様な姿をしており、地面の上でピョンピョンと跳ねているのです。


その鯉の目は、瞳孔が開いたかのように、死んだ魚の目をしていました。


私の思考は理解に耐えきれず、爆発寸前の状態で頭から湯気が出るような感覚に襲われました。


混乱する私は状況が飲み込めず、そのまま観察していると、少年が黄色い動物に何やら支持を出しました。


するとその黄色い動物は、可愛らしい容姿とは裏腹に、恐ろしいまでの電気を体に纏、鯉に目掛けて突進していくのです。


とてつもない衝撃音と共に、勢いよく鯉が吹き飛ばされました。


死んだ目をした鯉が、本当に死んでしまったのではと思いました。


しかし、ピクピクとわずかに動き、生きているのを確認して、私は安堵しました。


中年男性は悔しがり、先程のボールを鯉の方に向けると、鯉は光りながらボールの中へと入っていきました。


一体、私の目の前で、何が行われているのでしょう。


その後、少年は中年男性へと歩み寄っていきました。


すると、中年男性は何かを少年に手渡すのです。


私は少年が手渡された物を見て、恐怖にさらされき子羊のような感覚になったのです。


手渡されたのは、現金でした。


その少年は、まだ小学校高学年という幼い子供のような姿で、オヤジ狩りをしていたのです。


なんと、末恐ろしい少年なんでしょう。


いや、そこにいるの可愛らしい少年と小動物ではなく、極悪非道な悪魔と残虐な下僕にしか、見えなくなりました。


私は体の奥底から恐怖が一気に溢れ出す感覚に襲われました。


この悪魔に見つかってしまったら、私もオヤジ狩りに合ってしまうと思ったのです。


そして、ゆっくりを後ずさりしながら、離れようとしましたが、恐怖のあまり自分の足が絡まり豪快にコケてしまいました。


その音に反応して、悪魔がこっちを向くのです。


私は先程パチンコで全財産を失って無一文なのです。


金が無いと知った悪魔が、私に何をするかを一瞬で思考すると、壮絶な恐怖が私を襲い、けたたましい悲鳴を上げて気絶してしまいました。




気付くと、私は草むらで寝ていたようでした。


それから3日間、私は小学校高学年の少年を見ると、オヤジ狩りに合うのではと、ビクビクしながら生活をおくりました。

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