幼馴染みのおっぱいを感じながら高級料理

「いただきます」


 温泉から上がった後に浴衣に着替え、大輔たちは達也たちの部屋に行って一緒にご飯を食べることにした。


「美味しそうね」


 浴衣姿の都姫がテーブルに並んでいる料理を見て目を輝かせている。


 料理は一般家庭では出ないような高級な物ばかりで、アワビや伊勢海老といった高価な魚介がメインだ。


 伊勢海老は以前食べたことはあるものの、大輔にとってアワビは初めて食べる。


「あの……本当にお金出して貰って大丈夫?」


 以前に星野家は一般家庭より稼いでいると聞いたことがあるが、それでも普段から高級料理を食べるようなことはないはずだ。


 流石にこんな高級料理が出る旅館とは思っておらず、お金を出してもらうのは少し心苦しい。


 つい先日誕生日会を開いてもらったばかりなのに今日は高級旅館……いくら大輔でも何も思わないはずがなかった。


「大丈夫よ。それに二人が付き合いだしたのだし、これくらい奮発しないと」

「そうだね」


 大輔の質問に答えた都姫の言葉に達也も頷く。


 ここまでされては、実はまだ付き合っているわけではない、と言い出しにくい。


 その内付き合う可能性は非常に高いが。


「ここまでしてあげてるんだから、将来は都と結婚してね?」


 口は笑っている都姫だが、目は笑っていなかった。


 もし、将来都と結婚しなかったら、大輔はどんな目に遭うか分からないだろう。


 ただ、他の人に一切興味を持てないし、将来は都と結婚する可能性は非常に高い、と大輔は思っている。


「さあ、食べましょう」


 笑みを浮かべている都姫が早速アワビを口に運び、「美味しい」と言ってさらに頬が緩む。


「大ちゃん、あーん」


 高級料理を目の前にしても、都は自分で食べるより先に大輔の口元にアワビを持ってくる。


 しっかりと胸を押し付けてきながら。


 滅多に食べれない料理なのだから、あーんってせずに自分で食べればいいのに……と若干思いながら大輔は口元にあるアワビを食べていく。


「思っていたより美味しい」


 食感はコリコリ、としており、噛む度に磯の香りが口全体に広がる。


 たたが貝だと思って侮っていたが、高級料理なだけあるようだ。


「でも、都の料理の方が美味しいよ」

「あ、ありがとう、ございます……」


 大輔が耳元でそう囁くと、都は恥ずかしそうに頬を赤くした。


 普段は都が作ってくれる料理を口にしているためか、舌が彼女の料理を美味しく感じるように出来てしまっているらしい。


 アワビのような高級料理より、都の手料理の方が美味しく感じた。


「そりゃあ大くんのお嫁さんになれるように、都には私がきっちりと料理を教え込んだもの」


 お猪口に入っている日本酒をグビッと一口で飲み干した都姫は、自分直伝の料理を都に教え込んでいたらしい。


 確かに都と都姫の料理の味付けは似ている。


「あなた、私たちもしましょう」


 日本酒で少し酔いが回っているらしく、頬が赤くなっている都姫は、隣に座っている浴衣姿の達也に「あーん」と伊勢海老の身を口元に持ってきた。


「だ、だから娘たちの前でこんなことは……」

「あら、温泉で私に襲いかかってきたのはどこの誰だったかしら?」

「うっ……それは……」


 どうやら夫婦でよろしくやっているらしい。


「だから娘の前でそんなことは言わないでください」


 全くもう……と不機嫌そうに呟いた都だったが、伊勢海老の身を自分の口に運ぶと、美味しいのか頬が緩む。


「旅行の時くらい羽目を外してもいいじゃない」

「そういうのは娘に内緒でするものです」


 全くするなというわけではないらしく、するなら内緒でしてほしいようだ。


「都たちだって私たちに見せつけるようにイチャイチャしているじゃない。自慢の胸を大くんに押し付けちゃって」


 そのことについては否定出来ないのか、都には都姫の言葉に反論出来ないでいる。


 確かに最近の都は隙あらば胸を押し付けてくるため、周りからしたらイチャイチャしているようにしか見えないだろう。


 実際には異性に見られるように誘惑しているだけだが。


「胸を押し付けられて喜ばない男はいないものね。大くん、早く都を妊娠させちゃって」


 酔っているためなのか、都姫はいつもより直接的な表現を口にした。


 普通は高校生の娘を妊娠させてくれ、なんて言わないはずだが、都姫はどうしても都に妊娠してほしいらしい。


 相手は大輔限定なのだろうが。


「来年にはおばあちゃんになっちゃうのね。きゃ……」


 完全に酔っていて暴走してしまっている。


「大ちゃんが望むのであれば、いつでも妊娠させてもいいですからね」


 都の甘い囁きと胸を感じながら高級料理を食べるのだった。

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