幼馴染みのおっぱいを感じながら高級旅館で寝る

「食べた食べた」


 晩ご飯を食べた後で、大輔は都と共に自分たちが泊まる部屋に戻った。


 普段食べれない高級料理は人を狂わせ、いつも以上に食べてしまったのかもしれない。


 ただ、高級料理は普段食べれないからいいのであって、しばらく食べたいとは思えないだろう。


 明日からは家庭的な味である都の手料理を沢山食べたい。


「本当に沢山食べましたね。でも、明日からは私の手料理もいっぱい食べてくださいね」

「よろしく頼む」


 指を絡め合うようにして手を繋いできた都にお願いをする。


 今ではほぼ毎日のように作ってくれる都の手料理こそ大輔にとって母親以上に家庭の味で、毎日食べるなら彼女の料理だ。


 母親の料理ももちろん美味しいが、やはり都のよりかは劣る。


 それくらいに都の手料理は美味しいのだ。


「今は食欲より性欲に訴えかけますけどね」


 ゴロリ、と横になっている大輔に覆い被さるように上に乗ってきた都は、やはり胸を押し付けてきた。


 面白いくらいに形を変える胸は本当に柔らかく、本来であれば夢中になってもおかしくないだろう。


 だけど少しずつ都に興味を持ち始めていても、今はお腹が満腹だから性欲がわかない。


 食欲と性欲は紙一重と聞くが、お腹いっぱいの時に性欲がわかないのは本当のようだ。


 元々三次元の女性に興味がないっていうのもあるかもしれないが。


「えへへ。最近は大ちゃんといっぱいくっつけて嬉しいです」

「そうか」

「本当はもっと前から、こうやってイチャイチャしたかった、んですよ」


 頬を紅潮させた都からの甘い囁き。


 好きになった当初からイチャイチャしたい気持ちはあったのだろう。


 だけど恥ずかしさとえっちいのが苦手なので、大胆に誘惑することが出来なかったようだ。


 今まで全くの未経験だったのだし、恥ずかしくても仕方ないことだろう。


「ずっと一緒、です」


 絶対離したくない、という想いがこめられたような包容だった。


 大きな胸は大輔の顔を直撃し、柔らかい感触と甘い匂いが直接脳を刺激する。


 少しずつでも興味を持ち始めているため、胸に顔を埋められながら少しだけ口元が緩んだ。


 まだ誘惑され始めて一週間もたっていないのにも関わらず興味を持ち始めているのだし、性欲を刺激するのは案外バカに出来ないのかもしれない。


 このままいけばいつか都に陥落させられるだろう。


 その時に都の初めてを貰えはいい。


 喜んで捧げてくれるはずなのだから。


「そうだな」


 もう一緒にいるくらいの選択肢はないと思わせるくらいに、都の積極的な誘惑だった。


 興奮は覚えないものの、もういつ陥落してもおかしくない状態なのだから。


 それくらい今の都は可愛いのだ。


「今日はもう寝よう」


 満腹状態のため、大輔は先程から睡魔に襲われていた。


 それに早くから起きて箱根観光をしたたので、いつもより早い時間に眠気がやってきたのだ。


「せっかくの旅行に早く寝てもいいんですか?」


 まだ寝てほしくないのか、都は浴衣がはだけた胸元を大輔の胸板に押し付けてくる。


 以前お風呂から上がった後は付けないと言っていたので、今日も付けていないのだろう。


 はだけた胸の感触が直接伝わってくる。


「大ちゃん、はあぁぁ〜……」


 既に都は抱かれる準備が出来ているらしく、瞳が蕩け切っていた。


 旅行という羽目が外れてしまうイベントに、普段よりテンションが高くなっているのが原因だろう。


「好き好き好き好き好き好き好き好き好き」


 耳元でヤンデレキャラが言いそうな台詞が聞こえた。


 愛が重すぎてヤンデレになってしまったであろう都は、決して大輔を離そうとしない。


 別にくっつかれるのはいいのだが。


「都」


 火照っている頬を手のひらで触ると、お風呂上がりのように熱くなっていた。


 今すぐにでも抱かれたい気持ちでいっぱいなのだろう。


「俺は少しずつ都を好きになってはいるけど、まだ抱きたいほどではない」


 好意は少しずつ膨れ上がってきているものの、まだ抱きたいと思っていない。


 それに大切な幼馴染みであるからそこ、抱く時は本当に好きになってからしたいのだ。


 初めてを大切な思い出にするために。


「大ちゃんの考えていることは分かります。そうであれば我慢しますよ」


 流石は長年一緒にいるだけあって、考えていることを上手く察してくれるらしい。


 発情しきっていた表情はいつものように戻ったようで、今の都は落ち着いているようだ。


「愛してます。一緒に寝ましょう」

「ああ。おやすみ」


 大輔は都の胸を感じながら瞼を閉じた。

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