幼馴染みのおっぱいを感じながらのカラオケ

「カラオケは今年になってから初めてだな」


 学校が終わって大輔は都と一緒にカラオケに来た。


 利用は二時間でドリンクバーを頼み、ウーロン茶を持って部屋に入る。


 たまにアニソンを無性に歌いたくなることがあるため、大輔は都と一緒にカラオケに行くことがあるのだ。


「個室で二人きり……誘惑しまくれますね」


 カラオケでも誘惑するらしい都は、大輔の隣に座って早速胸を押し付けて耳元で甘い囁きをしてくる。


 ふう~、と耳に息を吹きかけられるも、歌いたいから気にせずデンモクを使って曲を選ぶ。


「あむ……」


 息を吹きかけるだけでは我慢出来なくなったのか、今度は甘噛みしてきた。


 あむあむ、と小動物が甘えてくるかのように優しく噛んでくる都の頬は、良く見えないが赤く染まっているだろう。


「えへへ、大ちゃんの味がします。私にとっては何よりの栄養補給ですね」


 たまにアニメに出てくるヤンデレキャラの台詞を言った都に再び「ふう~」と息を吹きかけられると、先程より耳が冷たく感じた。


 甘噛みされたことが原因だろう。


「別に甘噛みはいいんだけど歌ってる時は止めてね」

「はい」


 舐められて若干くすぐったいのを察してくれたようで、都は大輔の言葉に素直に従ってくれた。


 今期の好きなアニメのオープニング曲を入れた大輔は、マイクを持って歌う準備をする。


 これから大輔が歌うというのに、都は胸を押し付けけてるのを止めない。


 甘噛みは駄目だと言ったが、胸を押し付けるのは駄目だと言っていないから止める気はないのだろう。


 歌が始まっても胸を押し付けるのを止めないどころか、歌っている大輔に押し付けてくる。


「はあぁぁ……大ちゃん大好きです」


 音が煩くて良く聞こえないが、耳元で愛を囁かれたような気がした。


☆ ☆ ☆


「都は歌わないの?」


 何曲か歌い終えた後、大輔は都に尋ねた。


 歌おうとしない都は、ひたすら胸を押し付けながら甘い言葉を囁くだけだ。


 せっかくカラオケに来たのだから歌った方がいいだろう。


「私が歌っちゃうと、大ちゃんに愛を囁けないじゃないですか」


 そんなことを言った都に、再び耳を「あむあむ」と甘噛みされた。


 どうやら耳に甘噛みすることにハマってしまったらしく、これから毎日されるかもしれない。


 嫌ではないからしてくれてもいいのだが、若干くすぐったい感じがある。


 普段から耳元なんて甘噛みされないためか、他のとこを触られるよりくすぐったいのだ。


「歌う気はないと?」

「そうですね」


 イチャイチャしていたい、と本人が思っているのなら、こうしているのもいいだろう。


 くっつかれるだけでは歌うのに支障がないため、このままいても問題ない。


「じゃあのんびりしようかな」


 マイクをテーブルに置いた大輔は、都にくっつかれながらウーロン茶を飲む。


 一人で歌うには二時間は多いため、少し休憩も必要だ。


「都、ここに座りな」


 大輔は自分の膝をトントン、と軽く叩き、都に太ももに座るように催促する。


「でも、それじゃあ私のむ、胸を感じられませんよ」


 自分の胸を感じてほしい、そんなことを思っているようだ。


 女性の胸は男性にとって性的興奮を促す要因の一つであるため、ずっと押し付けていたいらしい。


「向かい合ってなら出来るでしょ」

「む、向かい合って……」


 向かい合って座れば胸を押し付けることが可能だ。


「俺を興奮させたいのであればタイツを脱いでからすることをオススメするよ」

「タ、タイツを、ですか?」

「うん。朝に見たアニメでタイツをはいたヒロインいた?」

「いません、ね」

「つまりはそういうことだよ」


 タイツをはいたヒロインも好きだが、生足の方がもっと好きだ。


 はい、と頬を赤く染めて恥ずかしそうに頷いた都は、タイツを脱いでからゆっくりと大輔の太ももの上に乗っていく。


 いくら見えないとはいえ膝上のスカートをはいて大股を開いたポーズは相当恥ずかしいようで、告白した時と同等以上の耳まで赤くなっている。


 でも、少しでも興奮する可能性があるのであれば、都は恥ずかしくてもしてくるだろう。


 大輔も可能性がある提案をしてみて、実際に興奮するか試している。


 部屋にカメラはないとはいえカラオケでするわけにはいかないため、もし、興奮するのであれば退出して家に行くだけだ。


 興奮して襲いかかるイコール都と恋人同士になるということなので、彼女が断るわけないだろう。


 むしろ望んでいるのだし、喜んで初めてを捧げてくれるはずだ。


「どう、ですか?」


 大輔の提案の意味を察してくれたであろう都が胸を押し付けながら聞いてくる。


「うーん……凄い柔らかい」


 華奢な体躯なのに都の身体はどこもかしこも柔らかい、と思っただけだった。


 昨日の今日でいきなり現実の女性に興味を持てるわけがないということだ。


「恥ずかしいですけど、この体勢はいいですね。より沢山大ちゃんを感じることが出来ますし、大ちゃんに私を感じさせることが出来ます」


 大輔の背中に腕を回してきた都が、ギュー、と力強く抱きしめてくる。


 確かにこの体勢は対面座位で、他の体勢はより沢山触れ合うことが可能だ。


 これからは二人きりの時はこうやってイチャイチャすることになるだろう。


「ずっと愛してますよ」


 ふう~、と息を吹きかけられた都に耳元で甘い言葉を囁かれたのだった。

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