幼馴染みのおっぱいを感じながら登校
「えい」
アニメを見終えて朝ご飯を食べた後、大輔は都と一緒に学校へと向かう。
同じ高校だから毎日一緒に登校しているが、都が腕に抱きついてきたのは初めてのことだ。
もちろんムニュウ、と胸を押し付けてくる。
「これは間違いなく目立つな」
学校一の美少女である都が男の腕に抱きついているのだし、目立たないわけがない。
陰キャは周囲の視線に慣れていないから少ししんどいかもしれないが、誘惑していいと言ったのは大輔であり、都が抱きついてきても拒否することが出来ないのだ。
「私は大ちゃんのものだって皆に知ってもらう必要がありますからね」
普段はクールと言っても誰もが見惚れてしまうほどの美貌を持った都はもちろんモテる。
だからイチャイチャすることで、他の人に告白しても無意味、と思わせたいのだろう。
「まあ行くか」
「はい」
何を言っても離れてくれないのは分かっているため、大輔は都に抱きつかれたまま学校へと向かう。
五階建てマンションの三階から階段を使って降り、エントランスを抜けてマンションの外に出る。
五月になって気温が上がってきて朝でも寒さはなく、むしろ昼になったら汗ばんで暑く感じるだろう。
どんなに暑かろうと離れることがなさそうな都は、外に出てさらに胸を押し付けてくる。
服越しであっても凄い柔らかく、普通の男子であれば前屈みにならないといけないかもしれない。
でも、現実の人間に興味がない大輔にとっては、どんなに押し付けられようと大丈夫だ。
それを分かっているからこそ、都は外でも抱きついてくるのだろう。
「思ったんだけど、タイツって暑くないの?」
膝上と少し短めのスカートからは黒いタイツに包まれた足が出ており、冬はともかくこの季節になってくれば暑いと思うかもしれない。
「薄くしてるので大丈夫ですよ。それに……私の生足を見ていいのは、大ちゃんだけですから」
立っていて身長差があるからか、都は背伸びして耳元で甘い囁きをしてきた。
都ほどの美少女が生足だったら男子からの視線が凄いだろうし、通っている高校にはプールの授業がない。
体育ではジャージを着て素肌を隠しているため、実質都の生足を見れるのは大輔だけだろう。
「めっちゃ目立ってる」
通勤、登校ラッシュの時間帯のために人が多く、大輔たちを見ている人が多い。
それに学校一の美少女と言われているだけあって都を知っている人は多く、イチャイチャしている二人を見て「星野さんがついに鈴木と……」となどと嘆いている男子がいる。
基本的に陰キャであっても、唯一都が気を許している男子ということで大輔もある程度有名らしい。
「大丈夫ですよ。大ちゃんが何かされることはありませんから」
「そうだろうけど、人から見られるのは苦手だ」
陰キャなのに都と一緒にいるのに大輔が虐められることがないのは、彼女に嫌われる可能性があるからだろう。
都に嫌われるのは男子にとっては嫌だろうし、そのおかげで大輔は虐められることがなかった。
虐められないと言っても元々陰キャだから友達が出来るわけではないが。
「なあ、もしかして都が俺を好きなの皆知ってるのか?」
「知ってるんじゃないですかね。告白を断る時に好きな人がいるって言いますし」
大輔の質問に都は答えた。
確かに良く良く考えれば都から話しかける男子は大輔だけだし、端から見たら星野都は鈴木大輔が好き、と考えるのは普通かもしれない。
だけど都が話しかけてくるのは幼馴染みという安心出来る関係だからだと思っていた大輔は、告白されるまで彼女に好意を持たれているなんて気付いていなかった。
「アニメの主人公は鈍感過ぎるなってバカに出来ないな」
昨日の午前中までの都がクールだったからというのもあるかもしれないが、全く気づかなった大輔は自分のことがバカだ、も思わずにはいられない。
アニメのヒロインのように安心出来るから話しかけられるし、それで好きになったと少し考えれば分かることなのだから。
「そうですね」
ふふ、と笑みを浮かべた都は、「クールにしてたのは好きだとバレるのが恥ずかしかったんです」と頬を赤く染めて呟く。
クールにしていて好意をバレないようにしていた都であるが、あまりにも興味を持たれないことに我慢出来なくなったのだろう。
これからは恥ずかしくても好意をしっかりと伝え、意識してもらいたいというのが今の都の考えのようだ。
「もう告白してしまいましたし、これからはアタックしまくりですからね」
耳元で甘い囁きをしてきた都は、再び背伸びをして「ふう〜」と耳に優しく息を吹きかけてきた。
いきなりされたことにより、大輔の口から変な声が漏れる。
少なくとも朝から出していい声ではないだろう。
「愛してますよ」
投稿中、都の胸を感じながら耳元では甘い囁いと息を感じるのだった。
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