幼馴染みのおっぱいを感じながらの朝
「大ちゃん、起きてください」
カーテンの隙間から漏れる朝日、優しい声が聞こえたため、大輔はゆっくりと瞼を開けた。
目の前には幼馴染みである都が笑みを浮かべており、昨日は一緒に寝たことを思い出す。
小学生の時はお互いの家に泊まりに行ったりしていたが、思春期になってから一緒に寝たのは初めてだ。
「もう制服に着替えたんだな」
「はい。朝ご飯を作らないといけなかったので」
先に起きて朝ご飯を作っていたらしく、都は制服姿だった。
紺色のブレザーの上からでも分かるくらいボリュームがある都の胸が、ベッドに乗ってきた彼女のせいで大輔の胸板に押し付けられる。
「んちゅ……」
朝から頬にキスしてきた都は、「おはようのちゅーです」と笑みを浮かべて口にした。
「まだ朝早いな」
部屋に置き時計がないからスマホで時刻を確認すると、まだ七時になったばかりだ。
昨日でゴールデンウィークが終わったから今日から学校はあるのだが、通学時間は徒歩十分ほどなためにまだ寝ている時間はある。
「いつもアニメばかり見ている大ちゃんが昨日は日付が変わる前に寝たのでいいかなって思いました。それに……なるべく起きてる時間に、私を感じてほしいので」
「そうか。まあ熟睡出来たからいいけどね」
スマホをベッドの横に置いた大輔は、目の前にある都の頬に手を当てた。
抱きしめられながらでは気が散って寝にくいかと思ったが、一度も起きずに寝ることが出来たのだ。
「あう、大ちゃん?」
いきなり頬を触られたからか都の頬が赤く染まり、彼女の視線が泳ぎ出す。
昨日は都から凄い密着してきたのだが、逆に触れられるのは慣れていないらしい。
それに現実の人間に興味がない大輔から触ってくるとは思ってもいなかったのだろう。
「気持ち良く寝れたから、これからも一緒に寝て」
一度も起きずに熟睡出来たため、大輔は都と一緒に寝てもいい、と思った。
一緒に寝て寝にくかったら別々で寝るつもりだったが、これなら一緒に寝ても問題ないだろう。
「あ……はい。喜んで」
まさか大輔の方から言ってくるなんて思ってもなかったらしく、青い瞳にはうっすらと涙が貯まっている。
毎日一緒のベッドで寝る……つまりは誘惑する時間が増えるのだし、都にとっては嬉しいことだろう。
「目が覚めたし起きるかな」
しっかりと熟睡出来たために眠気は一切ない。
「起きるのもいいですけど、せっかく時間があるのですし、ベッドで色々と楽しみませんか?」
「楽しむ?」
「はい」
昨日は恥ずかしそうに言っていたが、一日たって慣れてきたようで、都の声から少し恥ずかしさが消えたような気がする。
ほほに関してはかなり赤くなっているため、まだ恥ずかしさはあるようだ。
「俺はアニメを見たいんだが……」
昨晩は日付が変わる前に寝てしまったので、深夜アニメを見れていない。
せっかく早く起きたのだし、一話くらいは見ておきたいというのが本音だ。
「アニメより私で楽しんでほしいんですが」
目の前に据え膳があるのにも関わらずアニメを見ようとしていることに不満らしく、珍しく都は「むう……」と頬を膨らます。
好きな人には自分だけを見てもらいたい、という独占欲の現れだろう。
「じゃあイチャイチャしながらアニメを見るというのはどうだ?」
どうしてもアニメが見たい、どうしてもイチャイチャしたい、という二人の意見がぶつかったのだし、イチャイチャしながらアニメを見るというのが妥協案だ。
「それならいいですよ」
出来ることならアニメを見ないでイチャイチャしてたい、というのが都の本音だろうが、一応は妥協案に乗ってくれた。
テレビとレコーダーの電源を付けるためにベッドから起き上がった大輔は、小さいテーブルに置いてあるリモコンを手に取って電源を付ける。
「幼馴染み物のラブコメ……」
画面に映っているタイトルを見た都がボソッと呟く。
水曜日の深夜……正確には木曜日なのだが、ヒロインが幼馴染みばかりのラブコメアニメが放送されている。
最終的にどの幼馴染みが勝つのか楽しみだ。
「ほら、おいで?」
リモコンの再生ボタン押した大輔は、両手を少しだけ広げて都に対してこちらにくるように促す。
「はい」
頷いた都は「えへへ」と笑みを浮かべ、ベッドに座っている大輔に抱きついた。
ムニュウ、と大きな胸が押し付けられながら、嬉しそうにしている都を両手で優しく包み込む。
「私の気のせいかもしれませんが、原作と絵が違くないですか?」
「そこを気にしたら終わりだ」
アニメを見ている都からの質問に答える。
原作とアニメでは絵を描いている人が違うため、どうしても違いが出てしまう。
酷い物だと原作とアニメで全くキャラが違ったり、プロが描いたとは思えないほど作画が崩壊するが。
アニメーターはかなり過酷なスケジュールだとネットで書かれていたし、きちんと頑張ってはいるのだろう。
「可愛い幼馴染みが三人もいるんですね。大ちゃんには私を以外にいないですよね?」
「俺の幼馴染みは都だけだ」
ほぼ産まれた時から毎日のように一緒にいるのに、どうして他にいるのか聞いてきたのが不思議だ。
「そうですよね」
分かりきっている質問をしてきた都は、「えへへ」と嬉しそうに笑みを浮かべる。
「大ちゃん、永遠に愛してますよ」
アニメを見終わるまで、耳元で都の甘い囁きが聞こえ続けたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。