幼馴染みのおっぱいを感じる誕生会
「お誕生日おめでとう」
誕生日を祝ってくれるということで隣の家にある星野家に案内された大輔は、飾り付けがされているリビングで都の両親に笑顔で祝われた。
「誕生日おめでとうございます」
先程都自身には言われたが、改めてお祝いしたかったようだ。
「幼馴染みの関係といえど大輔くんが都とこんなにも仲良く……都の将来は安泰だな」
星野家の大黒柱である
仕事の時は短い髪をオールバックにしているようだが、休日は下ろして優しいお父さんという感じだ。
「そうねぇ。来年には孫が出来るんじゃないかしら」
星野家の家事担当の
孫が出来る発言は大輔と都が手を繋いでこの家に来たから付き合い始めた、と判断したかららしい。
「お、お母さん、気が早いです」
全くもう……と呟いてため息をついた都だが、その後に嬉しそうな笑みを浮かべた。
高校生の娘に来年には孫が出来るんじゃないかしら、なんて言葉を普通は言わない。
孫なんて普通は娘が結婚してからせがむものだろう。
いくら現実の人間に興味がない大輔といえど、ある程度の常識は持ち合わせている。
あくまである程度のため、たまに爆弾発言をしてしまうことはあるのだが。
「でも、したくなったらいつでも言ってくださいね。行為は大歓迎、ですよ」
両親に聞こえないように耳元で囁いてきた都は、本気で初めてを捧げたいと思っているのだろう。
胸を押し付けるという大胆な行為をしてきたのだし、むしろしてくれたら既成事実を作れると考えているのかもしれない。
手を繋いで両親の前に行くということをされたため、外堀は埋められつつあるが。
「女の子の初めては痛いって聞くけど大丈夫か?」
達也と都姫に聞こえないように、大輔も都の耳元で呟く。
「ひゃあ……」
吐息がかかったためなのか、都の口からの甘い声が漏れた。
思春期になってから触れ合いが減ったから分からなかったが、どうやら耳が敏感らしい。
「娘の両親の前で耳舐めプレイ? 最近の若い子は色々と大胆ね」
口元を手で隠して都に言ったのと、彼女が甘い声を出したことにより、都姫は大輔が娘の耳を舐めたと勘違いしたようだ。
「お母さんは何を言っているのですか」
大ちゃんは人前でそんなことしませんよ、と呟いた都は、都姫に白い目を向ける。
母親が下ネタを言ってくるためか、都は両親相手にも丁寧な言葉を使う。
えっちいことが苦手になったのも、恐らくは都姫の影響があるのかもしれない。
「その、大ちゃんが望むなら、耳を舐めてもいい、ですからね? 後、大ちゃんと初めての痛みは大切な思い出になると思いますので問題ないですよ」
再び耳元で囁いてきた都の胸が腕に押し付けられる。
「びっくりするくらい二人だけの世界になっているわね」
「そうだね。本当に来年には孫が出来るかもしれないね」
娘が男とイチャイチャしても反対しないということは、既に両親公認となっていると考えた方がいいだろう。
どこぞの馬の骨にやるくらいなら知り合いの方がいいだろうし、そもそも娘には好きな人と結婚して欲しいと考えるのが普通だ。
「今日は大輔くんの誕生日と、都と大輔くんが付き合い始めた記念のお祝いだね」
もしかしたら都から告白すると聞いているのかもしれない。
はっきり言って聞いていようとなかろうとどうでもいいことなので、追求するつもりはないが。
「今日は大くんの大好きなチキンよ。沢山食べてちょうだい」
テーブルの上にデカデカと丸々一匹のチキンが置いてあるのはいいが、四人で食べ切れる大きさではない。
他にも大輔の大好物であるポテトサラダなど沢山の食べ物があるため、明日以降も食べることになりそうだ。
今はテーブルに置いていないが、恐らくは冷蔵庫にケーキもあるだろう。
「取り敢えず食べるか」
食べ切れない問題はさておき、大好物があるのだから食べない理由はない。
四人は椅子に腰掛け、「いただきます」と言って早速食べ始める。
「んまい」
現実の人間に興味を持たないといえど、美味しい料理を食べれば素直に美味しいと言う。
「あ、あーん……」
隣に座って頬を赤く染めている都が右手に持っているフォークでキチンを刺し、大輔の口元に持っていく。
密着して胸を押し付けてくるのはあえてしているのだろう。
「まあ、私達の前で大胆ね」
チキンを食べた都姫が両手に頬を当て、四十代とは思えないような喜び方をしている。
「大ちゃん、あーん」
「あーん」
都姫の言葉を無視し、大輔は都によって口元まで運ばれたキチンを食べる。
「都と大輔くんのイチャイチャを肴にするとお酒が進むね」
グラスに入ったビールをグビグビ、と達也は口に流し込む。
高校生である大輔にお酒の味は分からないが、相当美味しいのだろう。
「そうね」
都姫は缶チューハイを飲みながら笑みを浮かべている。
「二人のことは放っておきましょう。あーん」
酔い始めている両親を無視した都は、再びチキンを大輔の口元へと持ってきたのだった。
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