第8話
『え?1人?』
『おう』
『他の仲間は?』
『いねぇよ。さっき解散したし』
『解散のタイミングおかしいだろ』
『まぁ、いいじゃん。とりあえずお前が魔王なんだろ?ぶっ飛ばしてやるよ』
『お前が良いならいいけど…。じゃぁ、こほん。よくここまで来たな、勇者よ。お前の力、見せてみよ!!!』
『魔王め!覚悟しろ!!』
『ってちょっと待て!!お前レベル30じゃないの!』
『そうだけど?』
『無理!無理だよそんなレベルじゃ。やる気あるの?』
『失礼だな。やる気しかねぇよ』
『それは、すまない。でももうちょっとレベル上げてきて欲しいわ。魔王としても』
『やっぱ30じゃ無理かぁ』
『まぁ、そうね。デコピン1回くらいは耐えられるかもしれないけど』
『俺さ、レベル上げるの嫌いで、仲間に全部やってもらってここまで来たから全然レベル上がらなかったんだよね』
『凄い勇者来ちゃったな…』
『別に世界がどうなろうと俺には関係ないし、さっさと負けるなら負けたい』
『そう自暴自棄になるなって。あ、村の名物食べた?マグマ焼き』
『何それうまそう』
『辛いけど癖になるんだよ。もう戦う気もないし、それ食べて観光してから帰れば?』
『ふーん。でも俺魔族の通貨持ってない』
『両替できるから。誰か俺の財布持ってきて』
『魔王ってイメージと違うな』
『わしも勇者のイメージ変わった』
『お前、良いやつだな』
『…初めて言われたな』
『これは、俺の勘だけど』
『あぁ』
『お前とはなんか長い付き合いになりそう。ははっ』
『…魔王と勇者が?』
『金、ありがとな。しばらく村で楽しんでるわ。時間あったら魔王も一緒に飲もうぜ』
『飲みすぎるなよ』
『おう!じゃぁな~』
『変な勇者来たな…。……おい、わしのこの後の予定って誰かわかるか?』
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