第5話
「奥さんと喧嘩した…」
「漫画みたいな落ち込み方するなよ。魔王だろ?」
「魔王でも愛する人には弱いんだよ」
「内容は?」
「結婚記念日忘れた…」
「女は記念日に煩いからな」
「わし…勇者の相手して疲れて寝てたらもう過ぎてた」
「勇者罪深いなぁ」
「勇者がしつこく回復して引き延ばすから…!!」
「仕事なんだからしかたねぇよ」
「そんなこと言ってみろ。魔王滅せられちゃうぞ?」
「夫婦って難しいねぇ」
「魔族って人間よりも寿命が長いし、永遠に記念日がやってくるんだよなぁ」
「とりあえず謝ったの?」
「もちろん。土下座したわ」
「魔王が土下座はやばい」
「部下には言うなよ。沽券に関わる」
「嫁に勝てない魔王が人間の敵とは…本当のボスは魔王嫁かもしれないな」
「そういうな。普段は優しいんだ」
「花でも買ってけば?」
「んー。そうだな。ケーキも買っていくか」
「善は急げだ。こんな所で油売ってないで早く帰ってやれよ」
「すこし冷静になる時間も必要かと思ってな」
「酒飲みたいだけか」
「酒でも入らなきゃ、嫁さんに立ち向かえんよ」
「余計怒られそうだけどな」
「あ、じゃぁこれやるよ」
「宝石?これアイテムか?」
「愛の秘宝っていうらしいぜ。赤い宝石綺麗だろ?」
「この辺じゃ見かけないし、勇者ならではだなぁ」
「昔どっかのダンジョンで見つけたんだ。売れると思って。」
「もらっていいのか?」
「魔王…いや、友人の為だからな」
「勇者…!今まで馬鹿にして悪かったな」
「ほんとだよ。これで仲直りしてこい」
「すまんな。ありがとう。持つべきものは勇者だな」
「景気づけにもう一杯」
「おう」
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