第648話 プロフェッショナル


「最後に紹介するのは、妖怪の総大将!

 ぬらりひょんの明日香です。

 私の最愛の妻になります。」


何か説明みたいになったがこれで満足でしょうか?


明日香の満面の笑みが答えのようだ。


「私がイチローの正妻の明日香よ。

 まぁ、宜しく。」


とりあえず機嫌は治ったよで良かった。


「私も正妻っす!」


璃水が何か言っているが無視されている。


紹介も無事終わったので本題を伝える事に。


「璃水の毛をもとに戻してくれませんか?」


毛羽毛現に頼んでみる。


毛羽毛現がじーと璃水を観察すると手をポンっと叩く。


ん?

今、毛羽毛現の妖力が璃水を取り囲んだがすぐに消えたようだ。


うーん、璃水の頭に変化はないようだけど‥。


すると璃水がいきなり叫びだす。


「ちょっ、違うっす!

 下の毛じゃないっす!

 下はイッチーが喜ぶから今のままでいいっす!」


俺の説明が悪かったようで毛羽毛現は髪の毛ではなくアソコの毛をもとに戻したようだ。


「あっ、すみません。

 下は無しで、髪の毛を戻せばいいのですね。」


毛羽毛現は確認すると手をパン、パン、パンと叩く。


早過ぎてハッキリとは見えなかったが、一度目のパンで璃水の髪の毛が全て消えて、二回目のパンで髪の毛が元に戻った。

そして三回目のパンで下の毛が消えたようだ。もちろん見えたわけではないが多分そうだろう。


「元に戻ったっす!」


大声をあげる璃水。


「問題なさそうですね。

 ご用件はお済みでしょうか?」


毛羽毛現が尋ねてくる。


「うん、これだけかな。

 璃水の髪を元に戻してくれて、ありがとう。」


頭を下げてお礼を伝える。


「女性にとって髪は命ですからね。

 お力になれて良かったです。

 それでは、失礼しますね。」


毛羽毛現は爽やかな笑顔を見せると消えてしまうのであった。


「あっ、お礼を言うの忘れたっす!」


璃水は嬉しさのあまりお礼を忘れたようだ。


「それにしてもすぐ帰ったわね?

 もう少しゆっくりすれば良かったのに‥」


明日香が不満そうにしている。


今までの妖怪の中で最速で元に戻ったんじゃない?


毛羽毛現にプロフェッショナルを感じるのであった。

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