第646話 ラプ◯ツェル


俺の肩に乗っている毛羽毛現は毛玉である。


これは反応に困ってしまう。


目を明日香に向けるが明日香もどう対応していいのか躊躇しているようだ。


しかし空気を読めない女は違った。


「ちょっ、毛玉が喋った!

 怖いっす!

 キモいっす!」


璃水はストレートに感想を伝える。


もう全くオブラートに包むつもりはないようだ。


璃水の言葉を聞いて明日香は頭を抱えていた。


「そういう所!」


明日香が璃水にダメ出しをしている。


あっ、何かフォローしないと。


璃水によって傷つけられたかもしれない毛羽毛現を見る。


しかし毛羽毛現は特に怒った様子はなかった。


「毛玉?

 ‥‥‥‥

 あっ!

 大変失礼致しました。

 少しお待ち下さい。」


毛羽毛現は何かに気がついたのか慌てて何かを始める。


ん?

毛玉を解くのか??


毛玉かと思われたものは長い何かのようで中心に巻き付いているようだ。


毛羽毛現がゆっくり回転すると長い物がゆっくり俺の肩から垂れ下がっていく。


肩、胸、腰と、どんどん伸びていき、そして床にたどり着くと、トグロを巻いていく。


これはかなり長い物だ。


俺が床に視線を向けていると肩から声がかかる。


「お待たせしました。

 何度もすみません。

 私が毛羽毛現です。

 宜しくお願い致します。」


そこには拳ぐらいの大きさの和服を着た髪の長い女性がいたのであった。


ラプ◯ツェルかよ!


あまりに長い髪の毛に思わず感想がもれるたのである。

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