第637話 実験17
璃水はかなり頑張っていたと思うがお腹の子供は成長していなかったようだ。
璃水は納得出来ないのか何故か俺に食ってかかる。
「いや、俺に文句を言われても‥」
思わず反論してしまう。
「命がけで戦ったのに‥」
いや、命がけではなかったと思うが‥
そんな俺と璃水のやり取りを無視してアマビエは考え込んでいる。
そして、何かしらの結論に至ったようだ。
「もっと窮地に立たないと駄目かも‥。
母体がピンチに陥ると子供が育つかもしれない。」
アマビエがビシッと言い放つ。
「もっと格上と闘え!」
アマビエの言葉に璃水はかなり嫌そうな顔をする。
「格上はちょっと‥‥
あっ、さっきの戦いのキズが‥」
格上と聞いて璃水が急に怪我したなどと言いだす。
痛がる璃水を無視してアマビエに尋ねる。
「どの程度格上がいいの?
参考までに教えてくれない?」
俺の問いにアマビエは悩みだす。
「う〜ん、少しぐらいの差ならあまり意味がないと思うし‥
あまり格上だと瞬殺されそうだし‥
適度に格上が望ましいかな。」
適度‥逆にそれが難しい。
璃水の格上かぁ‥
一応同族の妖怪が良いだろう。
そうなると‥
俺はセオリにお願いして頭に浮かんだ妖怪を呼び出してもらうのであった。
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