第633話 実験13


目の前に出現した二匹の巨大な龍。


水の龍はいいとして、泥の龍は‥

見た目が悪すぎる。


「なんすか、そのダサい龍は?

 泥遊びっすか?」


璃水が玖々莉を挑発する。


「はぁ?

 この泥で出来た龍がダサい???

 ふざけるなよ!

 そっちこそ、ほぼ透明でショボいくせに!」


玖々莉が璃水にケンカを売る。


「ショボい?

 このクリアーな龍が?

 はぁ?

 馬鹿なんすか?

 今はクリアーな物が流行ってんすよ!

 これだから田舎者は‥」


璃水が玖々莉を鼻で笑う。


「カッチーン!

 あっ、それは言ったらダメなキーワードなのに‥

 言ってしまったね?

 あっ、もうマジでキレたから!!」


玖々莉の妖力が膨れ上がると、泥の龍がさらに大きくなる。


「いくら大きくなっても、所詮は泥だから‥」


璃水がニヤニヤした顔をする。


玖々莉は璃水の挑発にものらず、泥の龍をどんどん大きくする。


「登れ!」


玖々莉が叫ぶと泥の龍が空を駆け上がっていく。


ん?

璃水を攻撃しないのか?


泥の龍は空を登るだけだった。


「なんすか、それ?」


璃水はとうとう笑いだす。


すると玖々莉が大声で叫ぶ!


「ギロチン!」


物騒な技の名前を玖々莉が叫ぶと上空にいる泥の龍が倒れてくるのであった。

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