第632話 実験12


璃水と玖々莉の攻防は続いていた。


俺はある事に気がついたのでアマビエに尋ねてみた。


「水と泥ってお仲間みたいなものだよね?

 もしかして力が均衡するんじゃない?」


素朴な疑問をぶつけてみる。


「おっ、なかなか鋭いですね。

 お察しの通り水と泥は近しい存在なので力は均衡し、きっと決着はつかないと思います。」


アマビエが澄ました顔で応える。


「え?

 決着つかなくて問題ないの?」


「ノンノンノン!

 今回の実験は力が均衡したら、子供にどんな影響が出るのかを調べる為にあるんだよ。

 だから均衡してもらわないと困る。」


アマビエがビシッと応える。


「水刃!」

「泥刃!」


「水壁!」

「泥壁!」


「水球!」

「泥球!」


「ちょっ、真似しないで下さいっす!」

「真似なんかするか!

 たまたまや!」


力が均衡しているのでお互い有効打が出ないようだ。


「水鞭!」

「泥鞭!」


「やっぱり、真似っす!

 確定っす!」

「‥‥‥‥」


「無視したっす!

 認めましたね?」


「チッ!」


玖々莉が悔しそうに舌打ちをした。


「泥龍!」


玖々莉が霊力を溜めて、泥で出来た龍を作り上げた。


いや、泥の龍って‥

初めて見たよ。


「水龍!」


玖々莉の泥の龍に対抗して璃水が水で龍を完成させるのであった。

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