第516話 有難い


 妖怪の医者についての情報が見つかったらしく笑顔なヨウヒさんに対して、納得出来ないのか明日香が噛みつく。


「ちょっと、変な事言わないで。

 妖怪の医者何ていないわよ!」


妖怪の総大将とまで言われている明日香が妖怪の知識で負けるわけにはいかなかった。


「はぁ‥。

 私が言ってるわけではなくて、あくまでもネットの情報なので‥。」


あくまでも検索結果を伝えたまでなので、明日香に突っかかられて困惑するヨウヒさんであった。


「確かにそうだけど‥。」


理解はしたが納得まではしていない表情である。


「とりあえず話を進めますね、ツンデレさん。」


ここでヨウヒさんが明日香に喧嘩を売ってしまう。


「はぁ?

 誰がツンデレさんよ!!」


案の定、明日香がキレだす。


「それで、情報にあった妖怪ですが‥。」


自ら喧嘩を売ったが最後まで面倒を見ない自分勝手なヨウヒさんであった。


「無視かよ!」


明日香が無視されてさらにキレだす。


「アマビエって妖怪ご存知ですか?」


明日香の事を無視して話を進めるヨウヒさん。


「アマビエ?

 もちろん知ってるよ。

 疫病封じの有難い妖怪だよね?」


「そう、あの有難い妖怪です。」


ヨウヒさんが頷く。


「あのぉ‥

 実は私も意外と有難い妖怪なんですが‥。」


さっきから空気だった八重花が何故が対抗心を燃やしてくるのであった。

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