第507話 イメチェン


 古風な感じだと聞いていたが、現れたのはセーラー服を着た女子高生だった。


茶髪にピアス、アクセサリーもジャラジャラ付いていので少し遊んでいそうな雰囲気だ。


さらに呼び出された事はわかっているはずなのにスマホの操作をやめず、ずっと何かを操作している。


時間が経過しても無表情でスマホを触っていて、何のリアクションも起こそうとしなかった。


とりあえず八重花が声をかけるようだ。


「ふ〜ちゃん、やっほ〜!

 私だよ〜。」


八重花が手を振るが無反応だ。


それより、やっほーって‥。

どこの挨拶ですか!


「八重花さん、そろそろ呼び出した妖怪の名前を教えてくれない?」


話が進みそうにないので八重花に質問してみる。


「文車妖妃(ふぐるまようひ)って名前の妖怪だよ〜。

 最近では古いラブレターの怨念や情念などが変化した妖怪って事になってるけど、昔は寺院とかが火事などの際に書物を運ぶ車が変化したと言われてるの〜。

 文車の由来だよ〜。

 ちなみに文車だからふ〜ちゃんだよ〜。」


なるほど文車妖妃って妖怪なんだ。

勉強になったよ。


「名前はわかったけど、これだけ周りで話しても無反応なんだね。」


「う〜ん、昔から根暗で存在感なかったけど‥。」


!!!


まさか!

八重花がディスるとは‥。


あっ、よく見ると文車妖妃の眉毛がピクピクしてる。


無表情だけど、身体は反応してるんだ。


「ふ〜ちゃん、車どうしたの?

 あんなに大切にしてたのに‥。

 一緒にシール貼ったりしてデコってよね?」


八重花が話しかけるが反応はないのであった。

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