第505話 意外


明日香が連れてきた最古の妖怪は‥‥。


「イチロー様、お久しぶり〜。」


八岐大蛇の八重花であった。


う〜ん、確かに八岐大蛇は『古事記』や『日本書紀』に記述されたいるからなぁ‥。


正直、意外である。


「ん?

 そんなに私の事見つめて‥。

 どうしたの?

 そんなに見られると恥ずかしいなぁ〜。」


八重花が身体をクネクネして恥ずかしがっている。


いや、可愛いけど最古って感じしないよね。


威厳がないというか‥。


まぁ、最古というぐらいだから何か知ってるかもしれないよな。

俺は妖怪の妊娠について八重花に尋ねてみる。


「う〜ん、わかんない〜。

 長く生きてるけど妖怪が妊娠とか聞いたことないかなぁ〜。

 ごんね、力になれなくて〜。」


八重花が頭を下げてくる。


「そんな、謝らなくていいよ。

 八重花達が妊娠してるから少し心配で‥。

 妖怪のお医者さんもいないみたいだし‥。

 ちょっと焦ってた。

 ごめんね。」


俺も頭を下げて八重花に謝る。


「あっ、お医者さんは知らないけど頭が良い妖怪なら知ってる〜。

 本を読み漁ってるから博識だよ〜。」


「博識な妖怪??

 そんな妖怪いたかなぁ‥。」


俺が考え込んでいると八重花が笑いだす。


「フフ、イチロー様〜面白い〜。

 イチロー様の妖怪の知識って、ゲゲゲとか妖怪ウォッ○とかでしょ?

 あんなの一部の妖怪しか出てないよ〜。」


ん?

笑ってはいるが少し陰がえるような‥。


「だいたい、ゲゲゲとか妖怪ウ○ッチとかのせいで一部の妖怪ばっかり人気になって‥。格差が出て大変なんだから‥。」


八重花がだんだん怒りだす‥。


「ゲゲゲのせいでぬらりひょんのイメージが悪いのよね‥。

 ひねくれた悪党って‥。」


やばい、今度は明日香まで怒りだしていた。


この2人にゲゲゲの話題は振ってはならないと心に誓うのであった。


 


次回、新妖怪でます!

 

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