第477話 喧嘩6
セオリの説教は思っていたより短かったが、その分一言一言に迫力があり怖かった。
十分な謝罪を行い作業に戻ることにする。
「そういえば、またアレを使ってお兄さんを入れ替えるんだよね?
前回の心が壊れたお兄さんを入れ替えたのも問題だったけど、今回は首がないよね?
それって大丈夫なの?」
どうしても見逃せなかったので疑問をぶつけてみる。
俺に指摘されたイブキは「確かに!」的な感じで受け答えすると、首のないお兄さんに近づいていく。
何をするつもりだ‥。
『では、ほい!』
何処からか首をだしてお兄さんの身体にのっける。
「いや、ソレ誰よ?
ダメだよお兄さんじゃないと!」
イブキは舌を出すと、エヘ的な顔をする。
いや、あざとい!
まぁ、可愛いけど‥。
『ごめんごめん、間違ったよ。
うーん、これだっけ?』
今度はちゃんとお兄さんを出してきた。
「合ってるけど、その表情はどうにかならない?」
思わず胸が気持ち悪くなるような人相をしていた。
『もう我儘なんだから。
じゃ〜これでどう!』
イブキは指を鳴らすとお兄さんの表情がかわる。
ウーン、さっきより良いけど‥。
「これはどういう表情?」
何か見てるとムカつくような‥。
『他者を見下す顔。』
あっ、だから表情を見てムカついたのか‥。
「いや、ダメだよ!
もっと他にないの?
普通のでいいから!」
どうでもいいことだが、何となく嫌だったので変えてもらう。
『どんだけ我儘なの‥。
じゃ〜コレは?
もうこれでいいよね?』
再度指を鳴らすと表情がかわる。
おっ、今度は普通かな。
「ちなみにどんな時の顔なの?」
聞かなくていいのにどうしても気になってしまう。
『実は密かに恋心をもっていたメイドさんが、自分よりもカッコいい近衛騎士と結婚する事を聞かされた時にした愛想笑いの顔だよ。』
いや、どんな顔だよ!
まぁ、言われてみるとそういう時の顔だと思ってしまうかな‥。
『そろそろ真面目にやろうか?』
セオリにまた怒られるのであった。
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