第468話 説明1


お兄さんは全然信用してくれていないようで武器は持っていないようだが、いつでも動けるような体制をとっている。


まぁ、あまり信用され過ぎても怖いけどね。


最後まで話を聞いてくれるようなので丁寧に説明していく。


「まず、この場所は大魔道士である私の妻の特別な空間です。」


いきなり神って伝えても信じてくれないだろうから、わりかし信じられそうな大魔道士と言ってみた。


『ぷっ、大魔道士って‥。』


セオリに笑われる。


『私の妻‥

 いいねぇ‥その響き。』


イブキは妻というキーワードで喜んでいる。


お兄さんは驚いたようだが、話を止めることはなかった。


「次に私ですが‥

 貴方の妹のアリシアさんの今の上司のような者です。」


うん、嘘ではない。

上司=主人なので‥。


「名前はイチローと言います。」


ここで丁寧にお辞儀をする。


ヨシ、ここまでは順調だ。


「アリシアさんからお兄さんを助けて欲しいと頼まれたので、こうして助けに来たのです。」


この話も問題はないだろう。

次の事を考えているとお兄さんが口を開いた。


「嘘だ!

 お前は嘘を言っている!」


はい?

最後まで聞いてくれるのでは?

それに嘘つき呼ばわりとは‥。


「何を根拠に嘘つき呼ばわりですか?」


ちょっとムカついてしまったので声が低くなってしまった。


「アリシアが他人にお願いなどするわけがない。

 俺を騙そうとしてるな!!」


お兄さんが怒りだすのであった。

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