第467話 治療5


お兄さんを呼び出したのはいいけど、どうやって説明したものか‥。


たしか奥さんが死ぬ直前のお兄さんだよね‥。

これは説明するのが難しいなぁ‥。


下手に嘘はつきたくないし‥。


「ここは何処だ?」


お兄さんが騒ぎ出したので声をかける事にする。


「アリシアのお兄さんでしょうか?」


突然声をかけたのでお兄さんに驚かれてしまう。


「お、お前は誰だ?

 ここは何処だ?

 妻はどこにいった?

 そもそも何故アリシアのことを知っている?」


あ〜、やっぱり質問攻めにあってしまう。


『私はアリシアを奴隷として買ったものです。』


うん、殺される。


『アリシアの主人です。』


何が?


いや、嘘をつくのは悪手だ。

ここは正直に伝える方がいい。


「とりあえず落ち着いてもらってもいいですか?

 今から話すことは事実なので、最後まで話を聞いて下さい。

 話終わったら質問に答えますので。」


俺はアリシアのお兄さんの目を見て、真剣に話をする。


お兄さんはいろいろ言いたい事はあるようだが、話を聞いてくれるようだ。


さすが王子様、話がわかって助かる。

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