第465話 治療3


イブキがポケットの中をまさぐる。


お願いだから何を出すにしてもアレ的な言い回しはやめてね。


マジで!

怒られたくないよ。


「あっ、あったよ!」


イブキが探しているものが見つかったのかスッゴイ笑顔であった。


嫌な予感しかしない。


「テレレレッテッテッテー‥」


最悪だよ!

使ったよ、その音。


せめて言い回しは気をつけてね。


「どこでも‥」


ドアと窓はやめろよ。


「フラフープ!!」


ん?

どこでもフラフープ??


セーフ?

ウーン、パッチもん臭いけど‥。


イブキがご満悦ならいいのか‥。


俺は納得することにした。


「で、どうやって使うの?」


イブキに尋ねると実際にやってみると言い出した。


あー、不安しかないよ。


俺の不安をよそにイブキが笑顔でお兄さんに近づく。


心が壊れてしまったお兄さんは近づくイブキには気にも止めず、ブツクサと呟いている。

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