第464話 治療2


「過去のお兄さんと入れ替えるって‥。

 そんな事出来るの?」


とんでもない方法なのでイブキを疑ってしまう。


『妹を信じられないなんて‥。

 お兄さん酷い!』


イブキが口に手を当て、わざとらしく泣くそぶりを見せる。


わざとらしい‥。


思わずそんな感想が出てしまう。


が、それを指摘しても面白く無いのであえてのってみる。


「イブキ、ごめん。

 お兄ちゃんが悪かったよ。

 許して!」


俺もわざとらしく両手を合わせて謝ってみせる。


『だったらチューして。』


イブキもこの流れにのっかるようでさらに悪ふざけしてくる。


「わかったよ。」


俺はイブキに近づき、頬にキスをしようと顔を近づける。


『ストップ!」


キスをする直前にセオリに手を挟み込まれてしまう。


『そろそろ怒るよ。』


セオリが笑顔で告げるが目が笑ってない。


「ごめんなさい。」

『ごめん。』


俺とイブキは深々と頭を下げるのであった。


  ・

  ・


「冗談はこれぐらいにして‥。

 どうやって入れ替えるの?

 そんな事して何か問題起きないの?」


俺は疑問を口にする。


『どうやって?

 そんなの簡単だよ!

 ちょっと待ってね。』


イブキは何も無い所からポケットのような物を取り出す。


あっ、それ見覚えがある。


イブキはそのポケットのようなものに手を突っ込む。


そんなに大きくないポケットのようなものに腕まで突っ込んでいるイブキ。


明らかにポケットのようなもの中の広さが異常だと思えるのであった。

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