溜め込んだ想いを吐き出しても意味はないのは分かっている。

しかし、目の前の男が気になってしまう。

本心を伝えるのが怖い。

えーい、何を弱気な！

女は度胸だ。

アリシアは全てを吐き出す覚悟を決め、ゆっくりと息を吸い込むのであった。

スーーーーーーーーー。

肺がいっぱいになる。

さぁ、覚悟して聞けよ！

「我は国を取り戻したい！

　家族を取り戻したい！

　父に褒めて欲しい。

　母と一緒に寝たい。

　兄に甘えたい。

　兄の嫁をいじめたい。

　　・

　我らを裏切った奴らを殺したい！

　過去に戻ってやり直したい！

　　・

　恋がしたい！

　普通の恋愛がしたい！

　デートがしたい！

　キスをしてみたい！

　まぐわってみたい！

　　・

　自由に生きてみたい！」

一度間を置いてから一言。

「どうじゃ、満足か？」

アリシアが泣き出しそうな顔になっていた。

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