第451話 アリシア5
我が目の前にいる事は分かっているだろうに目を開けるつもりはないようだ。
こうなったら我慢くらべだ。
我の僅かに残ったプライドが先に声をかける事を躊躇させた。
さすがに根を上げたのか目をゆっくりと開け始める。
女をどれだけ待たせるのだ!
立場が違えどムカついてくるのであった。
男は目を開けると我の目を凝視する。
他の誰も我と目を合わせようとしなかったのに、この男は瞬きもせずに我を見続ける。
まるで視姦されているような感覚に陥入る。
恥ずかしくてどうにかなりそうだ。
思わずよく考えずに口が開いてしまう。
「我の直感がお主に買ってもらえと言っておるがどうじゃ?
我を買わぬか?」
何を言っておるのだ我は‥。
焦って思ってもなかった事を口にする。
「す、すでに何人か奴隷は購入していますので、結構でございます。」
男も焦りながら応えくる。
「ほう。
我を前にして普通に喋るか‥。
実に面白い。」
だから言いたいこと違うのに‥。
何故か、この男の前だとカッコつけてしまう‥。
男は驚いて周りの者達を見ているかと思ったら、抱きついている女とイチャイチャしている。
何故だ、別にこの男を好きになったわけではないのに胸がチクリとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます