第450話 アリシア4


黒服が私の説明をしようとする。


邪魔をするでない。

我の晴れ舞台だ。


さぁ、会場の者どもよ!

聞くが良い!


「我はスターウ帝国最後の皇帝である、アリシアである。

 国を滅ぼされたが、部下の手によって山を越え、海を越え、この大陸にやってきた。

 命からがら逃げたのでな、路銀が尽きて仕方なく奴隷落ちした。

 出来れば我が国を滅ぼした輩に復讐していが、それは我を買い取った主人と相談じゃ。

 我はこの小さき身体ゆえ、本番はむりじゃが房中術には自身があるぞ。

 ちなみに我を買うと、もれなく部下もついてくるぞ。」


言ってやったぞ!


どうだ!


会場の客達の反応は全て困惑であった。


やはりそうなるか‥。


我が客達の目を見ようとするが逸される。


気持ちが沈みかけた時、あの男を見ると目を瞑っていた。


何故だか怒りが込み上げてきた。


我の晴れ舞台を見てないだと!?


怒りで我を忘れてしまい、黒服が止めてくるがそれを無視してあの男に近づいていった。


あの男の前に立つ。


気がついておるだろうに目を開けぬ。


声を掛けたいがここは我慢だ。


我は男の前で目を開けるのを待つのであった。

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