第449話 アリシア3


自らの意思で死ぬ事すら出来ぬ自分に絶望していた。


こうなったら堕ちるところまで落ちようと奴隷落ちを志願した。


どうせなら変な輩に買われて無惨に死ぬのも良いかとすら思っていた。


控室からオークションの様子を伺っている時にその男に目がいった。


黒髪の普通の男。


横にいる男が美男子であるので余計その普通さが際立っていた。


優しそうであるがどこか頼りない。


普通の男なのに何故か気になる。


普通の癖にどんどん奴隷を買っていく。


身なりや雰囲気から隣の男は只者ではない事がわかる。


ただ、横の男に目を奪われる。


もしかしたら私の現状を変えてくれるのでは‥捨てた感情が蘇ってしまう。


変な期待を持つな!

私は既に諦めたのだ‥。


さぁ、いよいよ我の出番だ!

これが最後であろう晴れ舞台を盛り上げようでないか!!

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