第440話 媚薬


ヴァンパイヤと吸血鬼が腕に噛み付く。


注射と同じで少しだけチクッとするが、すぐに痛みはなくなる。

後で吸血鬼に聞いたら痛みをなくす成分が出るとのこと。

それを聞いて蚊を思い出したのは内緒だ。


ヴァンパイヤと吸血鬼は吸い始めるとすぐに口を離す。


どうした?

もしかしてまた吐く??


「「うま!」」


2人の美女が大声で叫ぶ!


「何コレ!

 血なの??

 ちょっと呑んだら美味しくて気絶したわよ。」


ヴァンパイヤが感想を述べる。


「気絶?

 私はいったわよ‥。

 もうビシャビシャよ。

 どうしよう‥。

 思い出しただけでまたいったわ‥。」


吸血鬼がトロンとした目で危ない感想を述べる。


「これは媚薬よ。

 さすがにこれ以上呑むのはヤバイわ。

 理性が保てない。

 こんな大勢の前で本性は明かせないわ。

 本当に本当に残念だけど、これ以上は我慢するわ。」


ヴァンパイヤが本当に残念そうな顔でつぶやく。


「私も我慢するわ。

 これ以上は洪水になるかも‥。

 私の本気は伴侶にしか見せられないから‥。

 私も本当に本当に残念だけど、我慢する。」


吸血鬼も本当に残念そうだ。


良かった、これで全て解決かな。


安堵していると2人が懇願してくる。


「「お願い!月一でいいから血を飲ませて!!」」


2人の声がシンクロする。


「いや、そんな定期購読みたいな事は遠慮します。」


2人の美女は大泣きするのであった。

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