第432話 闇41


「ほれ、さっさと我を買え!」


美女が命令してくる。


「あの‥。

 お断りします!」


俺はNOと言える男になったのだ!

今までは流されてきたが今回は違う!

俺は密かに決意する。


「もう面倒だの。

 だったら従わせるのみじゃ‥。」


美女がそう言うと真紅の目を光らせる。


「どうじゃ、我を買いたくなったか?」


美女が笑みを浮かべながら質問してくる。


「え?

 もちろん買いません。」


俺は手元でバッテンを作って完全否定する。


美女は目を見開き驚く。


「我の術が効かぬのか!?

 ほぉ‥これは面白い。

 実に面白い。

 よし、決めたぞ!

 主を我の眷属にしてやろう!」


美女は勝手に自己完結して行動を起こす。


いきなり消えたかと思うと俺の首に噛みついてくる。


いち早く異変に気がついた緋莉がグーで顔面を殴るが霧のように飛散してしまう。


飛散した霧は元の姿に戻って噛み付いてくる。


それはそれはチュウチュウ、血を吸っていく。


表情に余裕のあった美女はいくら吸っても眷属に出来ない事に驚くのであった。

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